生産施設向け地震防災システム(T-RESQ F)の開発

地震動予測手法の精度検証

内山 泰生^＊１・山本 優^＊１・田中 真弥^＊１・高木 政美^＊１・末田 隆敏^＊２

Development of Earthquake Disaster Prevention System for Manufacturing Facilities (T-RESQ F)

Validation of a Procedure for Predicting Ground Motion Intensity

Yasuo UCHIYAMA^*1, Yu YAMAMOTO^*1, Maya TANAKA^*1, Masayoshi TAKAKI^*1 and Takatoshi SUEDA^*2

研究の目的

工場等の生産施設では事業継続の観点から，地震後早期の生産能力回復が求められています。この対策技術の一つとして，これまで生産施設向け大成リアルタイム地震防災システム（T-RESQ F）の開発に取り組んできました。本研究ではシステムで用いられている地震の揺れの大きさの予測方法について精度検証を行い，予測精度をさらに向上させる方法についての検討を行いました。

技術の説明

T-RESQ Fは，気象庁の緊急地震速報を用いて地震の大きな揺れが到達する前に様々な直前対策を行うことができるシステムです。また，現地に設置した地震計によって初期微動を検知することで，緊急地震速報では間に合わない可能性がある直下型地震にも対応することが可能です。また，システムの信頼性や予測精度の向上のために様々な取り組みを行っています。T-RESQ Fを導入することで館内放送による従業員の安全確保や，生産設備の自動停止による設備損傷防止などの対策が可能となります。

主な結論

現地地震計による予測手法は緊急地震速報の第１報よりも予測精度が高く，緊急地震速報が間に合わない可能性の高い直下型地震に有効であることを確認しました。また，現地地震計と緊急地震速報による予測値を組み合わせることでより精度が向上することを示しました。