超臨界二酸化炭素浸透実験装置の開発

小川 豊和^＊１・横山 正利^＊２

Development of Permeability Test Apparatus for Supercritical CO₂

Toyokazu OGAWA^*1 and Masatoshi YOKOYAMA^*2

研究の目的

Carbon dioxide Capture and Storage（CCS）では，CO₂を超臨界と呼ばれる状態で地下（帯水層）に圧入しますが，超臨界状態のCO₂の挙動を精度良く予測または監視するためには，CO₂が浸透した状態での岩石物性や環境条件によるその変化を測定する必要があります。このニーズに応えられるよう，地盤の基本物性や解析に用いる信頼性の高い入力パラメータを提供できる実験技術の開発が求められています。

技術の説明

超臨界CO₂の挙動は，CO₂が地中に閉じ込められるメカニズム，そしてCO₂と水の相対浸透率に大きく左右されます。この実験装置ではCO₂を注入したときの岩石コアの上下端間の圧力差と流量の値を用い，実験での温度と圧力のもとでのCO₂の密度と粘性係数を考慮して，ダルシー則よりCO₂の相対浸透率（Relative Permeability）を求めます。

主な結論

地盤中の温度・圧力条件下で岩石の浸透率を測定できる試験装置を開発しました。また，超臨界状態のCO₂の状態を観察できる可視化装置を作成しました。今後浸透率の測定中に，弾性波速度の測定などを行うことで，岩石の飽和率と物性変化の関連などを検討していく予定です。