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ダクタルを適用した長大スパン・モノレール軌道桁の技術開発

鉄道橋へのダクタル初適用

田中 良弘*1・小林 隆*2・石堂 正之*2・熊谷 徹*3・大川 真佐雄*4・小尾 博俊*5・田邊 顕*6

Technical Development of a Long Span Monorail Girder using Ductal

First Ductal Application to a Railway Bridge

Yoshihiro TANAKA, Takashi KOBAYASHI, Masayuki ISHIDO, Toru KUMAGAI, Masao OKAWA, Hirotoshi OBI and Akira TANABE

研究の目的

モノレール軌道桁は,走行輪と軌道面との摩擦係数を確保するためにコンクリートのPC桁を標準としています。PC桁では桁長が20m程度が限界で長大スパンを必要とされる場合には,主部材を鋼構造とする合成構造軌道桁が採用されてきました。本研究は,ダクタルの優れた材料特性を活用してスパン40mのモノレール単線軌道桁を経済的に建設することを目的に,東京モノレール㈱と当社が共同研究を実施した成果です。

技術の説明

長大スパンのモノレール桁の実現のためには,軽量化と軌道桁としての高い製作精度が要求されます。プレキャスト・セグメント構成を独自に考案して緊張ケーブルの低減を可能とし,これらを経済的かつ高精度に接合するためのドライジョイントとウェットジョイントを新たに開発しました。建設に先立ち,桁長10mのプロトモデル軌道桁の試験施工を行い,また,その載荷実験の実施により,施工性と構造安全性を検証することができました。

主な結論

新たに開発されたジョイントは,軌道桁としての高精度化,軽量化,建設コストの低減を実現しました。プロトモデルの構造実験,三次元非線形FEM解析,竣工後のたわみ計測などから,桁長40mのモノレール桁の構造安全性と機能性が確認されました。今後の展望として,上下複線桁が一体となった長大スパン・モノレール複線軌道桁の技術開発が望まれます。桁長40mをさらに長大化することも可能であると考えられます。

*1 技術センター 土木技術開発部
*2 東京モノレール(株)
*3 国際支店 アルジェリア東西高速道路建設工事作業所
*4 東京支店 東京モノレール国際線作業所
*5 技術センター 土木技術研究所 土木構工法研究室
*6 国際支店 UAEパームジュベールアリ水上ハウスプラットフォーム建設工事作業所