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スパン中央に添筋重ね継手を有するプレキャストRC梁の構造性能

渡辺 英義*1・是永 健好*1・服部 敦志*2・原 孝文*2

Structural Performance of Precast Concrete Beams with Splice-bar Joints in Longitudinal Bars at Midspan

Hideyoshi WATANABE, Takeyoshi KORENAGA, Atsushi HATTORI and Takafumi HARA

研究の目的

最近の超高層RC建物では,柱梁接合部と梁を一体化するプレキャスト(PCa)化工法が多用されています。この工法では,梁スパン中央の後打ち部に突き合わされた主筋同士の継手が必要となり,通常は機械式継手が用いられています。しかしながら,この機械式継手には,価格が高いこと,継手金物が大型のため過密配筋となる可能性が高く,かぶりも大きくなることなどの問題点がありました。

技術の説明

上記のPCa梁スパン中央の鉄筋継手を合理化するため,低コストで施工性に優れた重ね継手工法を開発・実用化しました。本工法は,突き合わされた主筋(D32~D41)間に細径の添筋(D22~D25)を2本配置して添筋重ね継手とし,継手長さを短くするために重ね部分をU字筋D13で割裂補強していることを特徴としています。

主な結論

地震時の応力状態を模擬した性能確認実験を行い,本報の添筋重ね継手を梁スパン中央に設けた場合でも大地震時に要求される耐震性能を十分に満足していることを確認しました。また,実験結果を詳細に分析することによって, U字筋の補強効果や応力勾配の影響を考慮した重ね継手部の付着割裂強度の評価法を確立しています。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室
*2 設計本部 構造グループ