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揮発性化学物質を低減した塗料の開発

若山 恵英*1・鹿毛 俊彦*1・久保田 浩*1・並木 哲*1

Development of Paints with Reduced Volatile Chemical Compound Emissions

Yoshihide WAKAYAMA, Toshihiko KAGE, Hiroshi KUBOTA and Satoru NAMIKI

研究の目的

居住中の住居や稼動中の工場などの改修工事では,短期間で施工可能な塗装工事が求められると共に,工事終了後に臭気が残留しないことが求められています。また最先端の半導体施設のクリーンルームでは,建築材料から発生する揮発性化学物質を極力少なくする必要があります。
このような性能を満足するために,弊社では塗装材の原料から見直し,臭気の発生がほとんど無く揮発性化学物質の発生を嫌う施設の改修における塗装工事にも対応可能な塗料を開発しました。

技術の説明

本開発品(塗料A)は,施工直後の臭気を低減するために,臭気の主原因となる揮発性化学物質の含有量を少なくした無溶剤形のエポキシ樹脂塗料です。また,半導体製造工場などでの改修工事を想定してシリコンウェハへの汚染レベルが少なくなるような塗料となっており,クリーンルームの改修における塗装工事に対応可能な塗料です。

主な結論

開発した揮発性化学物質を低減した塗料(塗料A)を使用することによって,市販品(塗料B,C,D)と比較して改修工事での塗装時に発生する臭気を低減することが可能となりました。また,稼働中の半導体工場での塗装改修工事などでも,塗装時に発生するシリコンウェハを汚染する揮発性化学物質が少ないことが確認され安心して改修工事を行うことが可能です。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室