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天井吹出型パーソナル空調システムの省エネルギー効果に関する研究

自席パソコンとの連動制御による省エネルギー効果

張本 和芳*1・仁志出 博一*2・小林 信郷*2・加藤 美好*2・齋藤 正文*1

Study of Energy Conservation Effect with ‘Personal’ Air Conditioning System using Individual Ceiling Outlets

Energy Savings through Interlocking Control with Personal Computer

Kazuyoshi HARIMOTO, Hirokazu NISHIDE, Nobusato KOBAYASHI, Miyoshi KATO and Masafumi SAITO

研究の目的

パーソナル空調システムは、個人の好みの温熱環境および在席状況に応じて空調機を調整し、快適性と省エネルギー性を両立させる特徴があります。これらの空調機の調整やON/OFFは、ネットワークによる自席パソコンと吹出しユニットの連携によって制御される仕組みとなっています。この研究では、実際に適用した事務所ビルでの制御状況を把握し、省エネルギー効果を実証することを目的としています。

技術の説明

天井吹出型パーソナル空調システムは、1)個人の好みに応じて各個人の吹出しユニットをON/OFF、風量・風向調整する機構と、2)自席パソコンのON/OFF状態から在席状況を判断して吹出しユニットを自動でON/OFFする機構を実装しています。設備機器の制御・監視は、IP(インターネットプロトコル)による通信に束ねられているので、OA系ネットワークとの親和性が高く、この特性を活かして自席パソコンと吹出しユニットの連携による制御システムを構築しています。

主な結論

吹出しユニットは個人毎にON/OFF、風向・風量調整の操作、季節間の切り替えが行われており、好みに応じて温熱環境を選択する機能が有効に活用されていることを確認しました。
自席パソコンと連動した吹出しユニットのON/OFF制御により、居住者に対してON/OFF操作を意識させず、また不在時の不要な運転を防止し、端末AHUの搬送動力は定風量に比べ、約43%に削減できることを確認しました。

*1 技術センター 建築技術研究所 環境研究室
*2 設計本部 設備グループ