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大成札幌ビルにおける自然換気の省エネルギー効果

庄司 研*1・樋渡 潔*1・森山 泰行*2・梶山 隆史*2・横井 睦己*3

Effects of Natural Ventilation on Energy Conservation at Taisei Sapporo Building

Ken SHOJI, Kiyoshi HIWATASHI, Hiroyuki MORIYAMA, Takafumi KAJIYAMA and Mutsumi YOKOI

研究の目的

自然エネルギーの利用による建築の省エネルギー手法の一つとして自然換気があり,オフィスビルでも自然換気の事例が増えてきています。今回,大成札幌ビルにおいては手動での窓開けを,窓開け推奨ランプを見て実施する計画としています。本研究では自然換気が理想的に実施された場合の省エネルギー効果を確認することを目的としています。

技術の説明

自然換気に適した条件の時に,自然換気推奨ランプを点灯し,在室者による窓開け操作を促します。窓の開閉は執務者に任されており,実際には推奨ランプの通りに窓開けがなされる保証はありませんが,理想的に窓の開閉を行うことによる省エネルギー性,室内の快適性について予測し実測により検討しました。

主な結論

シミュレーションにより、1年で約7.4%の冷房負荷削減、それにより約1.7t-CO2の削減となりました。また、実測調査から、自然換気時のトップライトからの排熱量は約10W/m2でした。今後、運用方法や窓の開閉条件の決め方など、さらなる省エネルギーを目指して検討を続けていきます。

*1 技術センター 建築技術研究所 環境研究室
*2 設計本部 設備グループ
*3 設計本部 設備計画グループ