FM導入物語

第1話 課題を発見し解決するFM

複合ビルの建設を決意。だが、できた後は?

  
長年、○○市でA病院を経営してきた院長の安田だが、施設の老朽化が目立ってきたところに、所有する病院敷地に対して区画整理の話が持ち上がった。この機会に建て替えを検討することにした。そこで、どうせなら敷地の有効的な活用ができないかと、大成建設に相談。様々なアイデアを提案してもらった結果、安田は約8,000㎡の複合ビルを建設することを決断した。1、2階は病院だが、収益をあげるため上の階は有料老人ホームとクリニックモールとして、事業者に賃貸することにした。

しかし、なにぶん安田にとって、賃貸事業を手がけるのは初めてのこと。ビルを建てるのは建設会社に任せておけばいいが、事業において自身が果たすべき役割がまったく見えてこない。「管理は?運営は?」などの疑問ばかりが頭に浮かんできてしまう。建設会社が管理業務について支援してくれるなど聞いたことがなかったのだが、軽い気持ちで相談してみたところ、「それなら」とライフサイクルケア推進部が対応してくれることになった。なんでも大型テナントビルなどの開発に不慣れなオーナーのために、施設の運営がスムーズに移行できるよう、以前から支援を行っているというのだ。

長期の運用を想定し、管理の重要性を痛感

  
打ち合わせに現れたライフサイクルケア推進部の遠藤に、安田は率直に切り出した。「遠藤さん、ビルの運営はどのようにすればいいんでしょうか? とにかく、わからないことだらけなんですよ。」すると彼は今回のプロジェクト管理にあたって、「まずは複合テナントビルとしての管理運営計画、管理組織や管理ルール、管理費といった項目の検討が必要となります。」と簡潔に説明。そして「新たにビルを建設する際、どうしても建てることのほうに目が行きがちですが、建てたあとの運用は30−40年ぐらい続きますからね。」と付け加えた。「確かにその通りだ」と遠藤の言葉に深く頷いた安田は、運営の重要性をあらためて痛感していた。

円滑な管理運営のために、様々な方策を検討

  
その後、安田からの要望を十分にヒアリングした遠藤は、設計事務所や維持管理会社とも打ち合わせを重ね、管理運営計画をはじめとしたテナント運営に必要な様々な事柄を順次決定。また完成後に発生する施設の費用を、様々な角度から検証した。支出を最小に抑えて収益性を上げることは、賃貸事業の要なのである。

さらに遠藤は、テナント管理をスムーズに行うために、大成建設が独自に開発した「CAFM」を提案した。CAFMとは膨大な図面をはじめ、施設の様々な情報をパソコンで管理し、管理運営を効率的にする優れたツールで、大手のデベロッパーでも採用されているという。

確かに遠藤のこれらの提案は、安田にとって非常に心強い。それと同時に、遠藤がこちらのことを親身に考えてくれていることが、十分過ぎるほど伝わってきたのだ。それだけに安田は遠藤の申し出を快く受け入れることを決めていた。

さらなる収益性の向上を目指して・・・

  
完成から2年。遠藤の協力もあってビルの運営はスムーズに行われていたのだが、安田はさらに収益性を向上させたいと思い始めていた。というのも、エネルギーコストの増加や今後の経年劣化の進行による出費も考慮し、今のうちから出来る限りの支出を抑えたいと考えていたからだ。

早速、安田が遠藤に連絡を取ると、遠藤は「では運用面からのエネルギー診断と管理診断を実施してみましょう。」と提案。建物および設備の現状を調査し、省エネの度合いを評価するエネルギー診断と、施設の利用頻度などから管理仕様を見直す管理診断は、いずれも施設の品質を保ちながら無駄なところを洗い出すための、多角的な評価ができる診断方法であるらしい。

丸1日の実地調査によって、いくつもの設備運転方法の改善案から、光熱水費を5%削減できる見込みがついたという。なんでも遠藤に薦められた、CAFMに蓄積された2年間のエネルギーデータが光熱費削減に大いに参考になったということだ。さらに、管理仕様の変更でメンテナンス費もおよそ10%削減できるそうだ。投資は殆どゼロにも係わらず想像以上のコストの削減に、思わず満面の笑みを浮かべる安田だった。


今回実施したサービス
  • 運営管理・維持保全計画策定支援
    完成した施設を効率的に運営・運用するため、お客様の視点でソフト・ハードの両面から管理計画を策定します。
  • LCC算定および削減支援
    定期的に管理業務とエネルギー費用についてLCCの算定を行い、削減を図ります。

  • コンピュータFM支援システム
    CRE(Corporate Real Estate)や事業継続計画を策定する際に必要となるファシリティ情報のデータベース化とその活用方法についてご提案します。
  • ソフト診断(利用者満足度評価(POE)/利用実態調査/施設管理診断)
    利用者のニーズが満たされているか、定期的なPOEや、施設の利用頻度、広さ・明るさの計測といった利用実態調査等を実施します。
  • ハード診断(建物診断/耐震診断/エネルギー診断)
    建物および設備の現状を調査し、建物の劣化状況、耐震性能、省エネ度合などの診断・評価を行います。

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