建築の仕事
キャリアパス
新入社員
初めてのプロジェクト
現在の仕事
これからの展望
人材育成制度について
夢に最も近い、と選んだ会社 待っていたのは想像以上に大きな仕事だった

決め手になったのは、先輩たちの笑顔

 学生時代は地元の設計事務所でアルバイトをしていました。就活では、経験も積み仕事の流れもわかっているその設計事務所に就職するか、それとも大手のゼネコンに挑戦するかを悩みました。決め手になったのは大成建設のリクルーターから聞いた話でした。
「大規模プロジェクトに参加できるのはゼネコンだからこそ。また、大成建設には設計の社員がたくさんいるが、決して大勢いる中の一人という働き方にはならない。学んできたことや経験を活かして働くことができるし、上司や先輩たちもそういう働き方を求める社風だよ」と話してくれたのです。
 これ以外にも、業務外の時間に有志でチームを作ってアイデアコンペなどに積極的に挑戦していることや、入社後数年間の研修の内容も知り、自分が働く姿を具体的にイメージできました。なにより、そうやって会社のことを話している先輩たちがみな笑顔だったことが最大の決め手になりました。あの笑顔は就活をしている学生へのアピールではなく、心から大成建設で働くことを楽しんでいるからこそ出る笑顔なんだ、と実際に自分が働くようになって実感となりました。

作業所研修で改めて誓った決意

 入社1年目に参加した2ヶ月の作業所研修で、社会人としての自覚が芽生えましたね。社員、職人さんなど何千人もの人が、設計を形にするために動くのです。エンドユーザーとして完成した建物を使う人、そしてクライアントはもちろん、その建物を造るために汗水を流している人たちに恥じない設計をしなければ、と改めて気持ちを引き締めました。
 入社して最初の数年は、上司や先輩にアドバイスをもらってコンペにたくさん挑戦しました。遅くまでメンバーで頭をつきあわせて意見を出し合うのは、学生時代と同じ。大きな違いは「勝てる案」を考えなければならないこと。ただ私は、入社して3年間、コンペは連戦連敗…。同期がコンペで勝ち、実施設計を迎えている様子に焦りを感じていました。

驚きに圧倒された新入社員時代 そこから徐々に広がっていく視野と夢

自分のアイデアを磨きながら、遂げる成長

 当時の上司は、社内でもデザイナーと呼ばれるほど意匠にこだわりがある人でした。設計本部にはいくつものグループがあり、プロジェクトはトップの名前を冠したグループの作品として社内で認識されます。ですが当時の上司はメンバーに押しつけや強制をすることは一切なく「自分のやりたいようにやりなさい」という姿勢を貫いてくれました。もちろん、大成建設の提案、そして上司のグループとしての提案と認められない内容でなければ、厳しく指摘されます。「なんだこの中学生の考えたようなプランは」とよく言われました(苦笑) その繰り返しの中で「勝てる案」とは何か、技術を学ばせてもらいました。
 3年目、遂に実施設計のチャンスが巡ってきたと思っていたら、お客さまの都合で消滅。その時は本当に意気消沈しました。そこまで休日返上で挑んでいた緊張の糸が切れ、ショックでしばらくは使い物になりませんでしたね(笑)

「使う人の笑顔」をイメージして

 4年目、コンペではなく、お客さまから「大成建設に依頼したい」という特命での案件の担当になりました。設計・監理に抜擢されたのです。岩手県にある短大の、マルチメディアセンターの新設工事でした。新幹線で現場に通い、理事長や校長と話をしながら工事を進められたのは、とても良い経験になりました。また、マルチメディアセンターを使う学生さんと話したい、そして設計に込めた想いを伝えたいという私の希望を聞き入れてもらい、学生さんを集めた説明会も開かせてもらえました。通常、設計が会えるのはお客さまだけ。それも一部の人に限られます。エンドユーザーに設計の想いを伝え、そのように使ってもらえることは本当に稀な機会なのです。竣工後の入学式に招待いただき、設計のねらいを生かした式で参列者が笑顔になるのを見た瞬間の嬉しさは忘れられません。ここまでがんばってきて良かったと思うと共に、この気持ちを忘れず設計に打ち込もうと、気持ちを新たにできました。

新たな現場に、新たなチームで より広い視野で、ものづくりに挑む

大規模プロジェクトから得る新鮮な刺激

『大手町タワープロジェクト』
 大成建設の社史に残るであろう、一大プロジェクトです。大手町タワーは、高さ200m、延床20万平米の超高層複合ビルです。これほど大規模なプロジェクトを、設計から施工まで大成建設一社で担当するという機会はそうありません。全社の期待と注目を一身に集めるプロジェクトに、2005年12月から竣工まで、8年半の長きにわたって参加しました。
 私が担当したのは低層共用部と事務所のインテリアです。地下には『OOTEMORI』という商業施設が入るほか、都心のオフィス街にありながら自然と触れられる「大手町の森」と呼ぶ緑地を設けました。野生の緑を感じられる都心のビルというコンセプトは、大変話題となり、多くのメディアに取り上げられ、たくさんの人が足を運んでくださっています。
 プロジェクトのスタートから関わると言うことで、上層階のホテルの基本構想やコンセプトにも関わりました。ホテルの設計チームが参加するのは、工事がある程度進んでから。建物のコンセプトに合致するホテルとなるよう、事業者や開発分野のチームと一緒に議論を重ねながら、低層階と合わせてホテル計画の構想を練りました。その後の基本設計からはホテル専門チームが担当しましたが、初めての経験で、豪奢なホテルの意匠を考えるというのは大変楽しかったですね。

プロジェクトで芽生えた不安と新たな意欲

 この8年半にも及ぶ大プロジェクトを担当している間にも、同期は実施設計を通じて次々とプロジェクトを実現していきます。会社を代表する大プロジェクトではあるものの、私にとっては大手町タワーが実施設計2件目。「いろいろなプロジェクトを経験したい」という思いも頭をもたげました。そこで大成建設本社の新宿オフィスリニューアルのための社内コンペに参加したり、プライベートでは先輩の実家の設計なども手伝わせていただきました。
 そういう経験が刺激となり、後半は大手町のプロジェクトに集中できました。徐々に工事が進み、建物がコンセプト通りに姿を見せてくると「やってきてよかったな」と思えましたね。また、大手町プロジェクトではメンバーの一人として、自分の役割を果たしてきましたが、「いつかは自分でチームをまとめ、プロジェクトを進めていきたい」と思うようにもなりましたね。

理想とした多くの先輩に近づくために これから先、この仕事を誇れるために

ホテルオークラ東京本館
写真上:旧本館外観正面玄関
写真下:旧本館メインロビー

初心の大切さを改めて実感

 現在、竣工を迎えた大手町プロジェクトを様々な賞に出品するための応募資料の作成業務も行っています。その際に実感するのが「最初のコンセプトが重要である」ということ。これは先輩に何度も言われてきたことです。コンセプトは、建物の骨格。これが弱いと、プロジェクトが壁にぶつかったとき、その場しのぎの解決策に逃げてしまい、できあがった建物に後付け感や統一性のなさがでてしまう。コンセプトを、誰もが同じイメージを抱ける言葉で表現する。それはとても難しいけれど、設計の役割としてとても重要なことだと感じています。
 現在参加しているプロジェクトは、50余年にわたって多くの人に愛されてきた伝統あるホテルオークラ東京本館の建替工事です。社内外の多くの注目を集める工事だけに、コンセプトが曖昧で伝わらないものなら、お客さまの心が離れてしまうことになる。開業後のホテルの姿をしっかりイメージし、明確で多くの人に受け入れられるコンセプトの立案に打ち込んでいます。

日々を成長の糧に変え、大きな目標へ挑む

 また、今回のプロジェクトでは、私が尊敬している著名な建築家の方と共に働くことができています。名だたる建築物を手がけてきた方の、設計に対する考え方、仕事に取り組む姿勢、想いなどを肌で感じながら仕事ができるのは、とても刺激になります。大きなプロジェクトに参画し、社内外の方と協力し合って仕事が進められる。そしてそれを自分の成長の糧とできる。これもゼネコンの設計部で働く醍醐味だな、といま改めて実感しています。
 ホテルオークラ東京の新本館が竣工するころ、私の社歴は20年になります。次の案件では自分のチームを率いて、プロジェクトを進める機会となるかも知れません。「エンドユーザーに想いを伝える喜び」という短大のプロジェクトで感じた気持ち、「揺るがぬコンセプトが、愛される建物をつくる」ということをこの会社で学び、大手町プロジェクトで実感した仕事の大切さを忘れず、いつかのその日のために今の仕事に全力で打ち込みたいと思っています。

外観
完成イメージ

メインロビー完成イメージ
(C)2015 Taniguchi and Associates All Rights Resereved.

新入社員

初めてのプロジェクト

現在の仕事

これからの展望

シニア・アーキテクト
国保 潤
2001年度入社
工学研究科 社会開発工学専攻 修了

2015年10月取材

キャリアステップ

2001~2004

本社設計本部配属
アイデアコンペや実施コンペなどの設計提案を中心に担当

2004

岩手県にある短大のマルチメディアセンターの設計・監理を担当

2005~

大手町の開発プロジェクトの設計を担当
主任に昇格

2007~

大手町の開発プロジェクトと並行し、大成建設本社ビルのオフィスリニューアルを担当

2009

課長代理に昇格

2014

課長に昇格

2015

ホテルオークラ東京の建替計画を担当。現在実施設計中