大成建設のオープンイノベーション(TOI Lab.)

コラム

オープンイノベーションチーム立ち上げの思い

 
 
2014年初頭、土木の分野にもCPS(Cyber Physical System)の波は押し寄せつつあった。
MITでは、自動運転を念頭に置いた信号システム、渋滞情報、事故情報、救急車、消防車の相互通信による交通システムの実験が始まっていた。CPSを建設業に実装するためにはどうしたらよいかを考えるべきだと思い、技術センターの長期戦略の中にCPSの文字を初めて導入した。
 
しかし、当社には、IOT技術者人材は限られており、複雑に錯綜する建設現場への実装ははるかに遠い目標に思えた。そのような人材や技術を持つ会社と細々と連携を図っていくのでは限界があり、当社にオープンイノベーション手法を用いた研究開発を根付かせる必要性に気づき、当時の大阪ガス(株)の技術戦略室室長松本氏やナインシグマ(株)の諏訪社長との交流を得て、徐々に当社のオープンイノベーションはその芽吹きを迎えつつあった。
 
転機になったのは、2016年技術センター長松井氏の理解を得て、当技術センターの大方針のひとつの柱にしていただいたことであろう。
技術センター初の女性チームリーダー柏倉女史の協力もあり、オープンイノベーションチームを立ち上げるにいたった。
次の目標は如何に全社員の協力を得ることであった。
 
松本氏や人工知能のわが国におけるリーダーの一人である松尾准教授の講演会、土木本部、建築本部、環境本部、エンジニアリング本部等への説明活動を通じて、2016年度には3回のニーズマッチングをほぼ成功裏に終えることが可能であった。活動を進める中で、シーズやアイデアを如何に集めるかも重要課題であった。
残念ながらアイデアソン等の活動はまだ実施していないが、そのなかで当社ライフサクルケア推進部において、フューチャーセッション等の活動に造詣の深い小野氏との出会いも幸運であった。ファシリテータ手法に長けた小野氏と、もともとフューチャーセッションに興味をもった田中氏によって、手探りながら3回のオープンカフェやIHIと共催したフューチャーセッションも開催にこぎつけた。
 
オープンイノベーションを成功させるためには、知的財産の専門家の存在はぜひとも必要であったが、天から降ってきたように弁理士の資格を持つ長谷部氏の参画を得て、オープンイノベーションチームは充実し、来年度の成功は約束されたも同様だと確信している。
 
2017.3.2
技術センター副技術センター長
今村 聡