ヴェネツィア 海に浮かぶ水上都市 西暦700年頃
ローマ帝国が崩壊すると、イタリアは衰退の一途を辿ります。それに拍車をかけたのがゲルマン民族の大移動、つまり、異民族の侵入でした。
後世、世界で最も美しいと謳われる水上都市ヴェネツィアは、こうした激動の時代を背景として紀元七世紀頃産声を上げたのです。

五世紀から七世紀にかけて、イタリア北部の諸都市からアドリア海北辺の浅瀬へと移住する人々がいました。彼らは、先住の漁民達と協力して都市的集落を形成します。
異民族の襲来から身を守るために築かれたこれらの集落こそ水上都市ヴェネツィアの最初の姿でした。

ラグーナと呼ばれる浅瀬に無数の木杭を打ち込み、その上に板を敷き詰め、さらに石材を積み上げて、人工の陸地と運河を整備してゆきます。
この工事に使用した膨大な材木と石材は、すべて船を用いてイタリア本土やクロアチアから搬送しました。
自分たちを守る都市を建設する、このことのためにヴェネツィアの人々は驚くべき努力を払ったのです。

やがて、海上交易が盛んな時代になると、ヴェネツィアは経済的繁栄の時代を迎えます。東方のイスラム圏との交易、十字軍の遠征などがヴェネツィアに豊かな風を送り込みます。
ヴェネツィアの中心には、カンパニーレと呼ばれる高い塔が造られました。この塔は、ヴェネツィアを目指す船が遙か彼方からでも望むことができました。

こうして、運河によって結ばれ、海に浮かぶ世界でただ一つの水上都市ヴェネツィアが誕生したのです。
 
ヴェネツィアミニガイド
 
潟湖の砂州からなる122の小島。それらをつなぐ400の橋。そして縦横に走る176の運河。水の都として世界中の人々から賞賛される水上都市はいつ生まれたのだろう。
世界屈指の観光都市ヴェネツィアの誕生の秘密とは・・・。

何よりも自由を重んじ、洗練された風情を持ち、しかも歓楽的雰囲気を謳われるヴェネツィアの人々。彼らの気質を育んだヴェネツィアという都市の母体が、異民族の侵入に苦しみ、その防衛のために移住した人々によって形成されたことを考えると、歴史は急に生々しい実感を伴って甦ってきます。
5世紀から7世紀にかけてイタリア北部には西ゴート族、フン族、ランゴバルト族が侵入してきます。イタリア北部諸都市の人々は、それから避難するためにアドリア海北辺のあちこちの潟地(砂州や三角州などの干潟)に移住しました。そして、彼らは先住の漁民とともにいくつかの都市的集落を形成します。混乱の中で独立性を高めて行くこれらの諸集落はやがて連合体へと発展して行きます。それがヴェネツィアの最初の姿です。
水で守られた都市がアドリア海北端の浅瀬に造られる過程を映像は追って行きます。ラグーナと呼ばれる浅瀬に無数の杭を打ち込み、その上に板を敷き詰め、さらに石材を積み上げて人工の陸地と運河を整備して行くプロセスは、ペン画に淡彩を施したような繊細なタッチで描かれています。この独特の表現手法は、本VTRに納められている9作品の中でも出色。まるで羊皮紙に描かれたような温もりある描写法は、先進するCGのもう一つの挑戦と言えるでしょう。世界でたった一つの水上都市ヴェネツィアの誕生を物語る描画の世界、どうぞお楽しみください。
 


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