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窓システムの組合せ性能の評価手法に関する研究

張本 和芳*1・田中 拓也*1・武田 仁*2

A Method for Evaluating the Performance of Various Combinations of Window Components

Kazuyoshi HARIMOTO*1, Takuya TANAKA*1 and Hitoshi TAKEDA*2

研究の目的

近年の建物では,窓際空間の省エネ化・温熱環境の快適化を目指し,ダブルスキンやエアーフローウィンドウに代表されるような高性能な窓システムが採用されつつあります。これらの窓システムは,複数の部材や機構で構成されること,屋外気象や制御機構により熱性能が変化することなどの特徴があります。
従来の熱負荷計算では,一般的な窓システムを対象として,熱性能値を年間一定として計算していたため,様々なパターンや,制御機構を検討することができませんでした。
本研究では,実測実験により様々なパターンの窓システムの熱性能を把握し,気象に応じて変化する部材特性を考慮した窓システムの年間熱負荷計算プログラムを構築し,部材の組合せ,制御機構の最適設計を目指します。

技術の説明

ガラス,フィルム,ブラインド,空気流通機構など,複数の機構を組合わせた場合の熱性能を実測により把握しました。また,年間熱負荷計算プログラムに,多数室換気回路網による中空層の換気量の計算と,直達光・拡散光に対する構成部材の吸収熱量の計算を組込むことで,気象条件によって熱性能が変化する窓システムの評価が可能となりました。

主な結論

窓システムの組合わせ性能の評価手法を構築しました。また,本プログラムにより,新築のみならず,既存窓に対して後付け部材が組み合わされるような窓の省エネ改修に対しても,年間を通した評価が可能となりました。

*1 技術センター 建築技術研究所 環境研究室
*2 東京理科大学