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大口径用コンクリート一体型鋼製セグメントの開発

首都高中央環状品川線シールドへの適用

堀口 賢一*1・三桶 達夫*1・丸屋 剛*1・馬場 重彰*2・西田 与志雄*3・服部 佳文*4・川島 広志*4・福田 隆正*5・谷口 敦*5・簗取 優丞*6

Development of All-in-One Design, Large-caliber Steel-reinforced Concrete Segment

Application to Metropolitan Expressway Center Circle Shinagawa Line Shield Tunnel

Kenichi HORIGUCHI*1, Tatsuo MIOKE*1, Tsuyoshi MARUYA*1, Shigeaki BABA*2, Yoshio NISHIDA*3, Yoshifumi HATTORI*4, Hiroshi KAWASHIMA*4, Takamasa Takamasa*5, Tsutomu TANIGUCHI*5 and Yusuke YANADORI*6

研究の目的

コンクリート一体型鋼製セグメント(ハイブリッドセグメント)は,大きな荷重が作用する断面への適用で優れた構造性能やコストパフォーマンスを発揮し,中・小口径の実構造物への適用実績を積み重ねてきました。このセグメントの優れた利点は,首都高中央環状品川線シールド工事にも活用できると考え,本工事のような大口径シールドトンネルに適用するために,設計方法の妥当性や,火災時の耐火性を確認しました。

技術の説明

ハイブリッドセグメントは,型鋼を主桁とし,端部の継手板,背面のスキンプレートからなる鋼殻に,耐火性を確保するためのポリプロピレン繊維を混入したコンクリートを充填した,鋼とコンクリートが一体化した複合構造のセグメントです。このセグメントは,すべて鋼材から成るスチールセグメントよりも廉価で,一般的に用いられるRCセグメントよりも高耐力であることから,シールドトンネルのさまざまな部位での適用が期待されます。

主な結論

実物大の曲線形状をした試験体による載荷実験により,構造設計において設定したとおりの変形性状を示し,十分な構造耐力を有していることが確認されました。また,実物大で継手部を有する試験体による耐火実験の結果,1200℃の高温に長時間さらしてもコンクリートには著しい爆裂が生じず,継手部の鋼材の温度も耐力に影響のない程度でした。さらに加熱後にも設計上必要な耐力を有しており,火災中・火災後ともに安全性を確保できます。

*1 技術センター 土木技術研究所 土木構工法研究室
*2 技術センター 技術企画部 企画室
*3 土木本部 土木技術部 都市土木技術室
*4 土木本部 土木設計部 陸上第二設計室
*5 東京支店 品川線シールド工事作業所
*6 東京都 第二建設事務所 品川線建設事務所 大井工事事務所