建設発生土を利用した柱状地盤改良工法の開発

その２ 軟弱粘性土地盤での試験施工

渡邊 徹^＊１・石﨑 定幸^＊１・金田 菜都美^＊１・長尾 俊昌^＊１

Development of Soil Improvement Method Using Construction Surplus Soil

Part.2 Test Construction on Soft Clayey Ground

Watanabe TORU^*1, Ishizaki SADAYUKI^*1, Kaneda NATSUMI^*1 and Nagao TOSHIAKI^*1

研究の目的

基礎スラブや杭などの基礎工事を行う際に発生する残土を利用して，柱状地盤改良を築造する工法を開発しています。近年，現場発生土のリサイクルやリユースが望まれていますが，本工法では，発生土を場内処理するとともに地盤改良として有効利用することを目的としています。本論文では，軟弱粘性土地盤での試適用や試験施工を行い，改良体品質の確認や工法改善に伴って発生土処分量が向上した結果について紹介しています。

技術の説明

本工法では，発生土の埋戻し工程と柱状改良体施工工程の２つの工程に分けて柱状地盤改良体を施工します。埋戻し工程では，先端テーパー付き特殊ケーシングで地盤を掘削し強制的に圧縮して造り出した空間に発生土を埋戻します。埋戻しの後，柱状改良体の施工を一般工法により行いますが，発生土処分と柱状改良の工程を分けることで，特殊ケーシングの寸法に制約されることなく，任意の大きさの柱状改良体の築造が可能となります。

主な結論

試験施工の結果，柱状改良体の品質が所定の管理値を満足すること，ケーシング引抜き時に掘削孔内に発生するサクションを緩和することで掘削孔が縮小するのを防止出来ること，掘削位置で数回押込みを行うことで発生土の処分量が増加することなどが得られました。今後は産廃土を対象に本工法を適用していきたいと考えています。