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多数開口を有する超軽量I形PCaPC梁の耐火性能

馬場 重彰*1・道越 真太郎*2・坂本 成弘*2・平島 岳夫*3

Fire Performance of Ultra-lightweight PCaPC I-shaped Beam with Multiple Openings

Shigeaki BABA*1, Shintaro MIVHIKOSHI*2, Shigehiro SAKAMOTO*2 and Takeo HIRASHIMA*3

研究の目的

建物には室内の計画が自由にでき,将来の用途変更やレイアウト変更にも対応できる大スパン空間が求められています。また,設備機器の大型化や将来の設備計画の変更にも柔軟に対応するためには,大きな梁貫通孔を数多く設置する必要があります。本研究では,これらを実現する技術として開発したT-POP(Taisei Precast Optimized beam with Prestress)の耐火性能の把握を目的として,開口間隔,コンクリート強度をパラメータとする耐火実験を実施しました。

技術の説明

断面をI形として梁部材重量の軽減を図り,高強度鉄筋を緊張材として用いたPCaPC梁に高強度コンクリートを使用することで,スパン20mクラスの開放的な大空間を実現できます。今回,試験体を3体製作し,荷重をくわえた状態で加熱をおこない,火災時の挙動,荷重支持能力を失うまでの時間(保有耐火時間)を把握しました。

主な結論

複数大開口を有するロングスパンPCaPC梁の耐火性能を確認しました。これらの成果から,スパン20m以上の室内に柱のない豊かな空間を実現します。今後は病院や工場等,様々な用途の建築物に展開していく予定です。

*1 技術センター 技術企画部 企画室
*2 技術センター 建築技術研究所 防災研究室
*3 千葉大学大学院 工学研究科