12

研究所CAFMシステムの開発

機能の紹介と活用事例

末田 隆敏*1・水野 敬三*1・紺谷 高康*2・松永 文彦*2

Development of Laboratory CAFM System

Introduction of Functions and Example of Usage

Takatoshi SUEDA*1, Keizo MIZUNO*1, Takayasu KONYA*2 and Fumihiko MATSUNAGA*2

研究の目的

近年,フロー型社会からストック型社会への転換が求めらており,工場や建物といった施設資産の維持・更新に対する投資の適正化が重要な経営判断のひとつとなってきています。この施設管理業務に関する情報を「見える化」するツールとしてCAFMがあります。CAFMとは,Computer Aided Facility Managementの略であり,コンピュータを使って施設に関する図面や書類等を体系的に管理するものです。これにより施設管理業務を標準化し,組織的な管理,ノウハウの継承などにより,その適正化を図ることができます。今回,当社技術センターをモデルとして,企業の意思決定に活用できることを目的とした研究所CAFMシステムを開発しました。

技術の説明

研究所CAFMシステムは,①施設に関する図面,書類等の管理機能(基本機能)②RFID利用による設備・実験機器の現状把握機能(プレゼンス機能)で構成され,従来のCAFMに無い様々なサービスを提供することができます。また,施設で消費されている電気,ガス,水道,灯油等のエネルギーの使用状況も「見える化」しました。これら「見える化」されたデータは,適正な施設管理や長期修繕計画の策定,省エネルギー対策の実施に活かすことができます。

主な結論

資産である施設に関する全ての情報を,CAFMによって組織内の誰もが簡単に参照,把握,分析,加工できる環境として整備することは,施設管理業務の組織化,効率化を促進するばかりでなく,「見える化」されたデータは様々な企業活動にも有効活用できます。今後は,蓄積される施設情報をCAFM自らが分析,最適化し,企業経営の意思決定に活用できるデータを提供するシステムとするためのインテリジェント化を推進していく予定です。

*1 技術センター 技術企画部 情報技術室
*2 営業推進本部 FM推進部 システム計画室