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大成建設技術センターにおける自然換気性能に関する研究

省エネルギー効果に関するシミュレーションと実測調査

庄司 研*1・樋渡 潔*2・齋藤 正文*3・加藤 美好*4・三宅 伸幸*4

Study of Natural Ventilation in the Taisei Technology Center

Simulation and Field Measurements of Natural Ventilation Performance

Ken SHOJI*1, Kiyoshi HIWATASHI*2, Masafumi SAITO*3, Miyoshi KATO*4 and Shinko MIYAKE*4

研究の目的

低層事務所建物である当社技術センターにおいて,リニューアル工事に伴い,自然換気を積極的に利用するため,自然換気可能な窓を外壁面及び吹抜け上部に設けました。これら開口から,積極的に外気を導入することで,建物の快適性,省エネルギー性の向上を図りました。
本研究では,今後の自然換気計画への活用を目的とし,シミュレーションとリニューアル後の実測調査から自然換気効果を把握しました。

技術の説明

自然換気は2~4階を対象に計画しました。3,4階は中央に吹抜けを有し,居室の南東側窓から流入しトップライト窓から排気される流れを主な自然換気経路としています。
自然換気口とする開口部のうち南東側の主要な開口部には,花粉侵入を防止できる網戸(花粉フィルター)を設置し,花粉の侵入と突風を防止することで,自然換気の長期利用を可能としました。

主な結論

計画時のシミュレーションにより,年間で約13%の冷房負荷が削減可能であることを確認しました。
また,リニューアル後の実測調査では,50,000m3/h以上の換気量があり,約70kWがトップライトから排熱されていることを確認しました。また,自然換気時にパーソナル空調の使用を停止しても快適性を損なわず,自然換気なしの場合と比べて代表日において約30%の冷水熱量が削減されました。

*1 技術センター 建築技術研究所 環境研究室
*2 技術センター 技術企画部 企画室
*3 (株)タイセイ総合研究所
*4 設計本部 設備Ⅲ群