33

既存半導体製造施設向け機器免震装置の開発

田中 真弥*1・日比野 浩*1・長島 一郎*1・出雲 洋治*2・小野 森司*2

Development of Seismic Isolation System for Semiconductor Fabricating Facilities in Existence

Maya Tanaka*1, Hiroshi Hibino*1, Ichiro Nagashima*1, Youji Izumo*2 and Shinji Ono*2

研究の目的

近年多発する地震において、半導体製造施設内の製造装置あるいは設備機器が損傷し、操業停止に伴う多大な損害を受けるケースが見受けられます。本免震装置は地震時の製造装置の応答加速度を低減することにより、製造装置と生産品を保護することで操業停止を未然に防ぎ、早期に操業復旧を図ることを目的として開発しました。

技術の説明

本システムは既存の製造施設において、既に設置されている製造装置をレトロフィット免震化できる、小変位・省スペース型の機器免震システムです。隣接して設置される製造装置にも連結設置で対応でき、分割機構により少ないスペースで現地組立可能です。また、使用材料の選定により対アウトガス性能を確保し、半導体・FPD製造関連施設などのクリーンルーム内への設置に対応しています。

主な結論

岩手・宮城内陸地震(2008年6月)を想定した製造施設内での床応答を再現し、半導体製造装置実機を用いた振動台実験を実施しました。製造装置各部の水平加速度応答は振動台に対し、27%~68%に低減されました。また、実施した各加振を通じ、製造装置本体及び内部各部において破損若しくは機能低下は確認されず、製造装置本体として無被害に留めることができました。

*1 技術センター 建築技術研究所 防災研究室
*2 設計本部 構造グループ