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The Urban Tree House

セミアクティブ免震技術を用いた近未来の建物・街並みの提案

岡田 直子*1・藤井 俊二*2・渡邊 朗子*3・深尾 仁*4・福山 牧男*5・清水 友理*6

The Urban Tree House

A Futuristic Building Using Semi-active Seismic Isolation System, and a City Block Composed of Such Buildings

Naoko OKADA*1, Shunji FUJII*2, Akiko WATANABE*3, Hitoshi FUKAO*4, Makio FUKUYAMA*5 and Yuri SHIMIZU*6

研究の目的

(社)日本免震構造協会により創立15周年記念国際アイデアコンペ「免震・制振技術ならできる,2050年のこんな建物,こんな街並み,こんな暮らし」が募集されました。筆者らはセミアクティブ免震技術を核として、架構技術、環境技術を組み合わせて「Urban Tree House」を提案しました。

技術の説明

Urban Tree Houseはスチール製の幹にコンテナを取り付けた免震構造物で,地上レベルを人・緑・水・風に解放し、人工樹上をカフェやオフィスなどにした複合街区を形成します。油圧で構造物を浮上させる滑り免震支承を用いることにより、地震力を大幅に低減するとともに、簡単に移動してTree Houseどうしを自由に組合せできます。コンテナは取り付け取り外しが可能な、スケルトンーインフィル構造となっています。これらの技術により,安全性とフレキシビリティを両立させます。

主な結論

免震技術は安全性の確保が第一の目的ですが,トップヘビーなピロティ構造を可能にして快適性や自然とのふれあいを可能にしたり,可動性やフレキシビリティーを考慮することによりサステイナブルな空間を可能にするなど,将来の豊かな街並み・建物の創造に応える技術としての可能性を見出すことができました。
本提案は,上記コンペにおいて優秀賞を受賞いたしました。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室
*2 技術センター
*3 (株)渡邊建築総合研究所,慶應義塾先端科学技術研究センター
*4 技術センター 建築技術研究所
*5 技術センター 技術企画部 企画室
*6 技術センター 建築技術開発部 ニューフロンティア技術開発室