24

飽和砂地盤上の直接基礎建物の地震時沈下挙動に関する研究

柴田 景太*1・船原 英樹*1・長尾 俊昌*1

Study of the Seismic Settlement Behavior of a Spread Foundation on Saturated Sandy Ground

Keita SHIBATA*1, Hideki FUNAHARA*1 and Toshiaki NAGAO*1

研究の目的

液状化の恐れがある地盤では,地震時に鉛直支持性能が低下したり地盤沈下が生じたりするため,直接基礎建物を計画する場合には,地盤改良によって液状化対策を施す必要があります。地盤改良を施す場合,液状化層を全層厚について改良するのが一般的ですが,基礎底面から離れた深い層を改良せずに浅い層だけを改良しても,必要とする性能を確保できる場合があると考えられます。本研究では,広く用いられている締固め地盤改良をターゲットにして,改良層厚を合理的に設定するための知見を得ることを目的としています。

技術の説明

基礎底面から離れた深い層は締固め改良せずに浅い層だけを締固め改良する場合,深部の非改良層における液状化の影響や改良層厚を薄くした影響を明らかにする必要があると考えられます。そこで,表層の締固め改良層厚の違いが直接基礎建物の地震時沈下挙動に及ぼす影響を検討するために,遠心力載荷装置を用いた模型振動台実験を行いました。

主な結論

深部に非改良層を残して表層のみを締固め改良しても,改良領域の水圧上昇量や地震中に生じる沈下量は,液状化層の全層厚を締固め改良した場合と同程度に抑えられるという結果が得られました。ただし,深部に非改良層を残した場合には,地震終了後の水圧消散過程において非改良層で地盤沈下が大きく生じるので,その評価が重要となります。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室