21

杭頭半剛接接合構法の開発

F.T.Pile構法 既製コンクリート杭

青島 一樹*1・島田 博志*2・堀井 良浩*1・小林 治男*3

Development of Flexible Connection Method for Pile Tops

‘Flex.Top.Pile’ for Pre-cast Concrete Pile

Kazuki AOSHIMA*1, Hiroshi SHIMADA*2, Yoshihiro HORII*1 and Haruo KOBAYASHI*3

研究の目的

1995年の兵庫県南部地震では,杭基礎構造物の杭頭部に多数の被害が発生しました。この結果は,従来の杭頭と基礎を剛接合する杭頭接合方法の問題点を示唆しました。本研究は,杭頭と基礎を半剛接合にすることで杭頭の地震時モーメントを低減し,杭基礎構造物の耐震性能を向上させることを目的としています。

技術の説明

F.T.Pile構法(杭頭半剛接合構法)は,杭頭の曲げモーメントを低減することによって,杭基礎の耐震性能を向上させるとともに,杭や基礎梁の合理化,掘削土量の削減など,基礎工事のコストダウンを可能にします。杭頭接合部の施工は,杭頭部にテーパー型枠を設置することでほぼ完了するため,通常構法(剛接合)と比較しても施工性が良く,低コストかつ短工期で杭頭半剛接合構法のメリットを得ることができます。

主な結論

本構法は,2003年12月に日本建築センターの一般認定(FD0141-01)を取得し,現在までに,様々な用途と規模の建物において2万本以上の杭に適用されています。現在,更なる適用拡大を目的に,より合理的な性能評価手法の検討を行っています。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室
*2 札幌支店 設計部
*3 設計本部本部 構造グループ