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鋼繊維補強された鉄筋コンクリートセグメントの構造性能評価

三桶 達夫*1・堀口 賢一*1・丸屋 剛*1・福浦 尚之*1・西田 与志雄*2・服部 佳文*3・加藤 隆*3

Evaluation of Structural Performance of Shield Segment Using Reinforced Concrete with Steel Fiber

Tatsuo MIOKE*1, Kenichi HORIGUCHI*1, Tsuyoshi MARUYA*1, Naoyuki FUKUURA*1, Yoshio NISHIDA*2, Yoshifumi HATTORI*3 and Takashi KATO*3

研究の目的

道路トンネルに適用するRSF(Reinforced Concrete with Steel Fiber)セグメントは既に開発済みです。今回,このRSFセグメント技術を,新たに共同溝などの小口径(φ3000~6000)かつ幅厚比B/t≒9のセグメントに適用し,小口径幅広セグメントの研究開発を行いました。
開発に伴い,鋼繊維混入に伴う応力伝達性など構造特性への影響の確認を目的として,構造実験を行いました。

技術の説明

小口径幅広セグメントの開発にあたり以下の実験を行いました。
① 鋼繊維の曲げ耐力への寄与の程度を定量的に把握するために,RCとRSFの梁について単純曲げ載荷試験を行いました。
② 平板供試体(幅厚比B/t≒9)を作成し,RC及びRSF試験体について,4点集中曲げ載荷を行い配力効果の確認実験を実施しました。
③ 主鉄筋比を最小鉄筋比の80%とした実物大のRSFセグメントを用いて,線荷重載荷試験と局所荷重載荷試験を行い,薄肉幅広化した場合のセグメントの構造性能について所要の性能を十分に確保できることの確認を行いました。

主な結論

鋼繊維を混入することで降伏,終局耐力が向上することが明らかとなり,このような鋼繊維補強効果を考慮することで,小口径の薄肉幅広化したセグメントにおいても,配力鉄筋・フープ鉄筋の省略が可能となりました。さらに,主鉄筋量を減少させた設計が可能となることが確認され,従来のRCセグメントよりも合理的な構造となることが分かりました。

*1 技術センター 土木技術研究所 土木構工法研究室
*2 土木本部 土木技術部
*3 土木本部 土木設計部