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各種外壁タイル張り工法における引張接着強度の評価

髙橋 愛枝*1・久保田 浩*1

Evaluating the Bonding Strength of Various Exterior-wall Tiling Methods

Yoshie TAKAHASHI*1 and Hiroshi KUBOTA*1

研究の目的

外壁タイル張り工法にはタイル後張り工法とタイル先付け工法があります。後張り工法は,モルタルまたは有機系接着剤を使用して張り付けます。接着力を強くする方法として,コンクリートの表面に凹凸をつけるMCR工法や超高圧水洗浄法があります。先付け工法は,型枠にタイルを固定しておきコンクリートを打設して,タイルとコンクリートを一体化させます。外壁のタイルは,第三者災害の防止の視点から剥落しないことが求められます。タイル張りは,張り付け手順や張り付け材および表面処理方法によって剥離防止効果が異なります。そこで,これらについて引張接着強度の評価を行い,より耐久性の高い工法の選定に役立てます。

技術の説明

外壁タイルをモルタルで張り10年間屋外で暴露した場合,押出成形セメント板に大形タイルを有機系接着剤で張り耐久性試験を実施した場合,高強度コンクリート(Fc=150N/mm2)にタイルを先付けした場合の引張接着強度を確認しました。これらの試験結果より,施工状況に応じた耐久性の高い工法を選定する技術を確立しました。

主な結論

モルタル張りは,MCR工法および超高圧水洗浄法により表面処理を行うと屋外暴露10年においても剥離が認められず優れた接着強度を示しました。有機系接着剤張りは,耐久性試験後にJIS規格を下回る接着剤が認められました。タイル先付けは,高強度コンクリート(Fc=150N/mm2)においてもJIS規格を上回る高い接着強度を示しました。以上の結果から,耐久性の高い工法の選定のためのデータを得ることができました。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室