28

鋼繊維補強コンクリートを用いた大型セグメントの開発

三桶 達夫*1・丸屋 剛*1・堀口 賢一*1・村田 裕志*1・西田 与志雄*2・服部 佳文*3・川島 広志*3

Development of Large-diameter Segment using Reinforced Concrete with Steel Fiber

Tatsuo MIOKE, Tsuyoshi MARUYA, Kenichi HORIGUCHI, Hiroshi MURATA, Yoshio NISHIDA, Yoshifumi HATTORI and Hiroshi KAWASHIMA

研究の目的

シールドトンネルにおいて,セグメントの経済性の追求と高速施工の要求を満たすため,セグメントの大型化が求められています。また,道路トンネルや鉄道トンネルでは,施工時のひび割れや,供用開始後の剥落は大きな問題となっています。そこで,セグメントの耐久性向上と施工時のひび割れ防止,供用中の剥落を防止する為に,コンクリートにスチールファイバーを混入させ,配力鉄筋を省略したセグメント(RSFセグメント)の開発を行いました。開発したRSFセグメントの幅については,これまでの日本最大の実績1600mmに対して,2000mmを採用しています。
このたび,鋼繊維混入に伴う応力伝達性など構造特性への影響の確認を目的として,構造実験及び解析を行いました。

技術の説明

実物大のRSFセグメントと,これと対比するために同じ形状で同じ強度としたRCセグメントを製作し,線荷重載荷試験を行い,幅広化した場合の構造性能を確認するとともに,RSFセグメントのRCセグメントに対する優位性を確認しました。
また,それらを対象に,3次元非線形有限要素法による実験シミュレート解析を行いました。

主な結論

実験結果より,鋼繊維を混入することで降伏,終局耐力が向上することが明らかとなり,このような鋼繊維補強効果を考慮することで,配力鉄筋・フープ鉄筋の省略および低減が可能となり,また,主鉄筋量を減少させた設計が可能となることが確認されました。以上の結果により,従来のRCセグメントよりも合理的な構造となることが分かりました。またRSF,RCの両ケースについて実験結果を良くシミュレートする解析結果が得られました。

*1 技術センター 土木技術研究所 土木構工法研究室
*2 土木本部 土木技術部
*3 土木本部 土木設計部