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高強度コンクリートの打込み上面に生じるこわばりの測定方法

山本 佳城*1・陣内 浩*1・飯島 眞人*2・寺内 利恵子*2・渡邉 悟士*1・黒岩 秀介*1・並木 哲*1

Method of Measuring Premature Stiffening Zone Formed at Top of High-Strength Concrete after Placing

Keiki YAMAMOTO, Hiroshi JINNAI, Masato IIJIMA, Rieko TERAUCHI, Satoshi WATANABE, Shusuke KUROIWA and Satoru NAMIKI

研究の目的

設計基準強度が100N/mm2程度を上回るような高強度コンクリートでは,打込み上面に,こわばりが早期に発生しやすく,プラスチックひび割れなどの原因になる可能性があります。本研究では,このような高強度コンクリートに生じるこわばりの,固さや厚みなどの状況を捉えることのできる簡易な測定方法の開発を目的としています。本測定方法は,高強度コンクリートの適正な養生方法を計画する際に必要となります。

技術の説明

こわばりの測定にはモルタル供試体を使用し,測定時に供試体を90度回転させて,打込み上面から内部方向への貫入抵抗分布を測定します。測定時に,供試体と同時に作製したモルタル板を打込み上面に設置することにより,上面近傍の貫入抵抗を測定することができます。本測定方法では,こわばりが生じることにより,打込み上面付近の貫入抵抗が,それより内部に比較して大きくなるような傾向が捉えられます。また,打込み上面に養生剤等を施すことにより上面の乾燥程度が変化すると,こわばりの固さや厚みも変化してくる様子がわかります。

主な結論

高強度コンクリートの打込み上面に生じるこわばりの有無や固さ,おおよその厚み,上面における乾燥程度の相違によるこわばり状況の変化などを捉えることのできる測定方法として,貫入抵抗を利用した簡易な測定方法を考案しました。この測定方法は,各種養生剤やその他のこわばり対策手法の効果を評価するうえで有用であり,高強度コンクリート工事における品質管理技術の更なる向上に貢献します。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室
*2 建築本部 技術部 建築技術部