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プレスリリース

病院内の電波環境を可視化する技術を開発

病院スタッフの負担軽減と効率的な電波管理を実現

2018年6月21日


 

大成建設株式会社
学校法人 埼玉医科大学

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、病院内の電波環境を可視化し、病院スタッフによる電波管理業務を支援する技術を開発しました。埼玉医科大学保健医療学部 加納隆客員教授(現、慈慶医療科学大学院大学教授)による学術指導のもと、埼玉医科大学国際医療センター(病院長:小山勇)において、この度、本ツールを用いた電波管理方法について実証試験を行い、その有効性を確認しました。

 病院や救急救命センターなど医療施設では、医用テレメータや電子カルテなど電波を利用した医療情報機器の導入が急速に進み、利便性が向上しています。一方、スマートフォンなどの無線機器やLED照明など省エネ機器の増加に伴い、電波に関わるトラブル※1が増加しています。このようなトラブルの解決には、施設内での電波の届く範囲や電磁ノイズなどを総合的に判断した上で対策を施す必要があり、病院スタッフ、医療機器メーカ、通信事業者、建設事業者などが相互に情報を共有し、適切な電波環境計画※2と定期的な電波管理※3を実行することが重要となります。
 しかし、従来の電波環境計画や電波管理には、専門知識や専用の測定装置が必要で、専門外業務に対応する病院スタッフには著しい負担となっていました。また、トラブル発生後には病室単位で電波強度を計測した上で対策を検討していましたが、電波調査や対策に多大な時間と労力を要し、また施設全体での電波環境を把握しにくいという課題がありました。
 そこで、当社では、建築物の計画・設計や運用管理に対して適用実績のあるBIM、電波環境シミュレーション、電波調査・計測に関する各技術を組み合わせ、病院内の電波環境を可視化する技術を開発しました。

 本ツールの主な特徴と実証試験結果は以下のとおりです。
(1) 医療施設の計画・設計段階では、BIMと連動した電波環境シミュレーション技術を用いることで医療機器や医療情報機器に電波に関わるトラブルが発生するリスクを事前に評価、可視化し、最適な電波環境計画を提案できます。
 また、運用段階では、現地での電波環境調査を行い、計測結果を可視化することで、電波管理上の課題抽出と対策検討など、より効果的な運用を支援することができます。既にトラブルが発生している場合は、その要因を分析し、必要なエリアに有効な対策を施すことで、より安全性が高い電波環境の構築と効率的な電波管理を実現します。

(2) 実証試験では、本ツールを用いて施設内の医用テレメータ、無線LAN、携帯電話の電波環境シミュレーション及び現地調査を行い、電波環境の可視化効果などを明らかにしました。
本ツールでは、電波環境シミュレーションにより電波的トラブルが発生する可能性が高いエリアを事前に特定し、可視化による状況把握と情報共有によって、電波調査などに要する時間が従来の1/2以下になり、病院スタッフの大幅な負担軽減につながることが確認できました。

 今後、当社では、2018年6月より自社設計の新設大規模病院の計画・設計や運用支援へ本ツール適用を予定しており、さらに稼働中の既設病院に対しても、病院スタッフによる電波管理業務を支援し、電波環境改善に関わる提案など、医療施設での幅広い展開を図ってまいります。

※1 電波に関わるトラブル:携帯電話、LED照明のほか施設内の受信アンテナ配置、病室レイアウトなどの影響により、電波が届かない、混信・ノイズによる干渉の要因で、医用テレメータや電子カルテなどの医療情報機器が正常に動作しないトラブルや、データが診察室やナースステーションに届かない状況が発生することがあり、電波環境の不適切な状況が医療施設で問題となっている。
※2 電波環境計画:電波受信強度の強弱に基づく受信アンテナの配置計画や内装部材の検討など設計段階で行う電波環境に関わる建築計画
※3 電波管理:信号・環境ノイズなどの電界強度の測定、テレメータの利用周波数、無線LANのSSIDの管理など医療従事者が行う電波に関わる管理業務

 

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