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プレスリリース

伝統木造建築用の高性能木造耐力壁を開発

建築様式に適合した耐力壁により、一般建築物と同等以上の耐震性能を確保

2017年11月22日


 

大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田 誉之)は、伝統木造建築用の2種類の高性能木造耐力壁を開発し、それぞれの耐力壁を日野山徳恩寺(神奈川県横浜市)本堂、九品仏淨眞寺(東京都世田谷区)閻魔堂の新築工事に適用します。

 近年の大地震により、寺の本堂や鐘楼など多くの伝統木造建築が倒壊の被害を受けました。これは伝統建築物では重厚な瓦屋根を支えるための壁が少なく、大地震の大きな揺れに耐えられない構造となっていることが原因です。そのため、文化財を除き、伝統木造建築の建替工事では、木造ではなく耐震性の高い鉄筋コンクリート部材を用いる場合や、一方では建屋を建替えずに、木造や鉄骨造で部分的に耐震改修工事を実施しているのが実情です。そこで当社では、伝統木造建築の新築工事に適用可能で、一般建築物と同等以上の耐震性能を確保できる2種類の新たな木造耐力壁を開発しました。
 各木造耐力壁の特徴は以下の通りです。
 

「T-WOOD 真壁」
   現行の耐震基準に則ると、寺の本堂のような重厚な屋根を支えるためには多くの壁が必要になります。一般的にこの壁には、柱と梁の間に壁板を嵌め込んで釘で留める日本建築独自の「真壁」が適用されます。今回当社が独自開発した「T-WOOD 真壁」は、釘ではなく壁板(厚物構造用合板)を長いビスで片側から打ち抜いて壁を繋ぎ留めると共に、柱に高強度のPC鋼棒を配して耐震性能を大幅に向上させることで、耐震設計上必要となる壁の全長をおよそ1/3に軽減することが可能となりました。また、片面からの施工により、従来は表裏それぞれの合板を別々に留めていた釘の本数が減り、施工手間も省けます。日野山徳恩寺では「T-WOOD 真壁」の適用により、7間×7間の広間に適度に開口部を有し、外周回廊に向かって開放的な空間を備えた本堂の建築を目指しており、2018年4月に着工予定です。
 
「T-WOOD 組み板壁」
   金物を全く使用しない木造建築の場合、壁の構築方法には柱の溝に壁板を嵌め込んで構築する「落し込み板壁」という昔ながらの伝統的な工法があります。「T-WOOD 組み板壁」は、この落し込み板壁工法を改良し、金物を使わない高耐力の壁です。柱に2種類の深さの溝を設け、板の配置を交互にずらして嵌め込むことで、従来工法による性能の約2倍の剛性と耐力を得ることができるようになりました。九品仏淨眞寺の閻魔堂は「T-WOOD 組み板壁」を適用し、2018年7月の竣工に向けて工事を進めています。

※土塗壁・面格子壁・落とし込み板壁の壁倍率に係る技術解説書(平成16年2月、国交省ほか編集)に基づく性能評価を実施。
 
 

 今後、大成建設では、さまざまな伝統的な木造建築物のニーズに応えるために、新築工事だけでなくリニューアル工事に対しても、これらの耐力壁を利用した新たな耐震補強工法を展開してまいります。

 
 
 
 
 

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