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プレスリリース

ニューマチックケーソンの掘り残し土量の可視化技術「T-ケーソンスキャナ」を開発

測量作業の効率化と安全で正確な施工管理を実現

2017年10月30日

 

大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、橋梁や構造物の基礎などに活用されるニューマチックケーソン※1工事(図1、2)において、重機に搭載したレーザーセンサを用いて施工時の掘り残し土量を可視化する技術「T-ケーソンスキャナ」を開発しました。本技術の適用により、遠隔操作で短時間に掘り残し土量を把握し、測量作業の効率化と安全で正確な施工管理を行うことができます。

 ニューマチックケーソン工事では、ケーソンの過沈下や傾きを防止するため、「開口率」※2(地盤と接する刃口周りの掘り残し範囲)という指標により、ケーソン支持力の変動状況(図3)を管理しています。従来の方法では、掘削・排土・沈下という一連の作業終了毎に、作業員が掘り残し土の形状を測定し、開口率を算出するのが一般的ですが、高圧な環境下での作業となるため、作業時間が限定され、さらに作業空間への入退出時の加減圧管理など作業外の時間もかかるため、掘削の進捗に伴う開口率をリアルタイムに把握することが困難でした。また、高圧環境下での繰り返し作業は作業員の健康障害の要因となる可能性もありました。
 そこで当社は、上記の課題を解決するため、重機に搭載したレーザーセンサを用いた遠隔操作によるケーソン刃口周りの掘削形状計測(写真1〜3)に基づき、掘り残し土量を測量、可視化する技術『T-ケーソンスキャナ』を開発(図4、5)し、開口率をリアルタイムかつ定量的に把握することで、測量作業の効率化と安全で正確な施工管理を行うことが可能となりました。

 本技術の導入により、実現可能となる主な項目は以下の通りです。
(1) 作用室内では、重機での所定掘削作業終了後に、重機を中心として30度ごとに円周方向の掘削状況をレーザーセンサで測量して確認します。測量作業は、重機に搭載したレーザーセンサによる測量に1箇所当たり5秒、隣接した測量エリアへの重機の旋回に10秒で完了します。そのため、測量作業から全周の測量データ処理から開口率の自動計算までの所要時間は、合計約4分という短時間で算出できます。
 
(2)
遠隔操作によりケーソン作業室内の任意の場所でリアルタイムな測量が可能で、また測量データを可視化することで重機による刃口周りの掘削範囲を操作員が周知することができるため、掘削作業の安全性や沈下状況の把握など、より正確な施工管理を実現できます。
 
(3)
遠隔操作で測量作業を行うため、作業員が高圧環境下で作業する必要性がなく、健康障害の要因を抑制することができます。
 
 
 なお、本技術は2015年から開発を進め、現在、国土交通省関東整備局港湾空港部発注の川崎港臨港道路東扇島水江町線・主橋梁部建設工事(大成・東洋・大豊JV)に導入しており、今後、当社は、測量作業の効率化と安全で正確な施工管理を行うため、本技術の普及、展開を進めてまいります。
 
※1 ニューマチックケーソン
 ニューマチックケーソンは、容器を逆さにして平らに水中に押し込むと、空気の圧力により水の浸入を防ぐことができるという原理(図1)を応用した施工法です。地上で鉄筋コンクリートの函体(ケーソン)を築造し、ケーソン下部の刃口部内側に設けた掘削作業を行う空間(作業室)に外周の地下水圧に見合う圧縮空気を送り込んで地下水の浸入を防ぎ、常にドライな状態を確保しながら、作業室内で掘削・排土・沈下を繰り返して所定の深さまでケーソンを沈設し、本体構造物として設置する施工法で、橋梁の基礎、シールドトンネル立坑、地下構造物などに幅広く用いられています。
 
図1 施工法の原理 図2 ニューマチックケーソン施工イメージおよび施工状況
 
※2 開口率
 ケーソン作業室周辺を取り囲む刃口周りの地盤の掘り残し範囲を示す指標で、数値は(刃口周りの地盤内空側の面積/ケーソン断面積)で算出され、ケーソン支持力の変動状況を把握することができます。現場では、施工状況に応じて、深度毎のケーソンの総沈下力と総沈下抵抗力(刃口反力+周面摩擦力+函内圧力)との関係を示したデータに基づき、ケーソン刃口部の地盤性状を考慮して開口率を設定し、掘削範囲と作業手順を決めて工事を実施しています。
図3 開口率と沈設掘削の原理
ニューマチックケーソンの掘り残し土量の可視化技術「T-ケーソンスキャナ」を開発
 
図5 ケーソン刃口の掘削状況平断面図の可視化画面・開口率表示

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