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プレスリリース

好気性細菌RHA1株の導入による汚染地下水浄化技術を実汚染サイトで実証

塩素化エチレン類汚染地下水を短期間、低コストで原位置にて浄化

2017年3月6日


 

大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、経済産業省と環境省が策定した「微生物によるバイオレメディエーション利用指針※1」において安全性が認定されている好気性細菌Rhodococcus jostii RHA1株 (=NBRC 108803)・写真-1)を実汚染サイトに注入し、塩素化エチレン類※2汚染地下水を短期間で浄化できることを実証しました。

 現在、有機溶剤に含まれる塩素化エチレン類による地下水汚染は、揮発性有機化合物による地下水汚染件数の80%以上を占めています。従来の浄化対策においては、揚水処理や汚染域に生息する嫌気性脱塩素細菌を利用した微生物浄化を行っていますが、年単位の浄化期間が必要となり、浄化コストの増加や土地利用の制約などの課題が生じていました。

 当社は、従来より国立大学法人 長岡技術科学大学、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)と共同で、RHA1株について研究を進めており、これまでに帯水層に酸素が存在する条件において、RHA1株を注入するだけで塩素化エチレン類を分解し、汚染地下水を浄化できることを確認しておりました。

 この度、環境省の「平成27年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討調査」の対象技術に、RHA1株を用いた塩素化エチレン類の汚染地下水浄化技術が選定され、当社は実汚染サイトで浄化試験(図-1)を行い、その効果を実証※3しました。

本浄化試験で得られた主な結果は以下のとおりです。
(1) 車載型注入装置を用いて大量培養したRHA1株を含む菌液を帯水層に注入後(写真-2)、低流量で空気供給を行って地下水中の溶存酸素濃度を高めた条件では(写真-3)、塩素化エチレン類を約1ヶ月程度で基準値以下まで浄化しました。
 
(2) 従来の揚水処理による浄化方法と比較して、浄化期間を1/3以下に短縮、浄化コストを3/4に削減できます。また、本技術では地上での水処理が不要なため、浄化期間中に発生する二酸化炭素量を約1/7に削減できます。
 

 今後、当社では、共同研究者とともに、土壌を掘削せずに浄化する原位置浄化技術のひとつとして本技術の適用を進めるとともに、塩素化エチレン類の汚染地下水浄化事業に広く展開していく予定です。

※1 汚染サイトに人為的に分解菌を導入して浄化する際に安全性の確保に万全を期すための指針。生態系への影響及び人への健康影響に配慮した適正な安全性評価手法及び管理手法のための基本的要件の考え方を示し、微生物を用いた浄化事業の一層の健全な発展及び利用の拡大を通じた環境保全に資することを目的として2005年に経済産業省および環境省によって策定された。
 
※2 塩素化エチレン類は、エチレンに塩素を付加して合成した液体で、トリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマーなどがある。トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンは金属部品の洗浄剤や溶剤として広く使用されてきたが、有害性が確認され環境規制物質に指定されている。
 
※3 実汚染サイトでの浄化試験の実証・評価結果は環境省ホームページ上で公開されている。(http://www.env.go.jp/press/103392.html
 
好気性細菌RHA1の導入による汚染地下水浄化技術を実汚染サイトで実証

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