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プレスリリース

トンネル湧水対策計画ツール「T-WELL_PLANNER」を開発

山岳トンネル工事での迅速かつ効果的な湧水対策が可能に

2016年4月12日


 

大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、山岳トンネル工事で高圧・大量湧水の発生が予測される場合の湧水対策計画ツール「T-WELL_PLANNER」を開発しました。この計画ツールにより、水抜きボーリング※1の仕様や本数など最適な湧水対策を迅速に選定できるため、より効果的な対策が可能となります。
 トンネル施工中に高圧・大量湧水が発生すると、トンネル切羽の崩壊や水没などの危険性があり、工事の安全、工事費・工程に重大な影響を及ぼします。しかし、山岳トンネルでは地表からの事前調査が困難な場合が多く、湧水の発生する位置や量を正確に把握することが困難です。そのため、施工中のトンネル内から探査ボーリングを行うことで、前方の湧水発生箇所を把握し、湧水対策を計画する必要があります。これまでは、湧水対策の計画に必要な対策パターンの設定、解析の前処理、対策効果の予測解析などに膨大な時間を要していました。
 そこで、大成建設は、トンネル湧水対策パターンの設定から予測解析後の結果表示までの一連のデータ処理を自動化し、得られた湧水予測解析結果から、短時間で、最も安全で工費・工程に配慮した効果的な対策を選定できる湧水対策計画ツール「T-WELL_PLANNER」を開発しました。
 この計画ツールでは、解析プログラムとして地盤内の地下水の流れとボーリング孔内の流れを連成した新たな解析手法「T-WELL_FLO」※2を採用しており、これまで予測が困難であった水抜きボーリングの排水効果を定量的に評価することが可能です。また、解析プログラムを並列化※3して計算することで、解析時間も大幅に短縮できます。

トンネル湧水対策計画T-WELL_PLANNER

 適用事例として、大量湧水が発生した既往トンネル事例で遭遇した湧水帯(図-1参照)を対象に、本計画ツールを適用し、工事費・工期を含めた最適な湧水対策を選定しました(図-2,3参照)。その結果、対策パターン選定から工事費・工期の算定までの解析作業では、従来は1ケースあたり5日程度を要していましたが、本計画ツールでは半日程度で完了し、検討期間を約1/10に短縮することが可能となりました。

 今後、大成建設では、高圧・大量湧水が予想されるトンネルプロジェクトに対して、本技術を積極的に適用し、効果的で安全な排水対策を提案、実施していきます。

※1  

水抜きボーリング
トンネル施工時の切羽への湧水を低減する対策工法のひとつ。トンネル切羽からボーリングを掘削し、切羽前方の湧水を事前に排水することによって、トンネルへの湧水量を低減させる効果が期待できる。比較的簡単で低コストの工法であるため、湧水が予想されるトンネルで頻繁に適用される対策工法である。

※2  

地盤内の地下水流れとボーリング孔内流れの連成解析「T-WELL_FLO」
通常の予測解析で取り扱われる地盤内の地下水の流れは、砂粒子の隙間を流れるゆっくりとした流れ(層流)であるのに対して、ボーリング孔などの小口径の円管内では、乱流と呼ばれる速い流れが生じており、これらは統一した一つのモデルで解析するこができない。連成解析では、地盤内流れと円管内の流れの相互の影響を考慮しながら解析する方法である。この手法により、通常の予測解析では評価できない水抜きボーリングの排水効果を定量的に評価することができる。

※3  

解析プログラムの並列化
解析で行われる複数の演算処理を同時に実行することによって、解析の計算速度を向上させる技術。並列化により湧水量の予測解析に掛かる時間を大幅に短縮できる。

トンネル湧水対策計画T-WELL_PLANNER

トンネル湧水対策計画T-WELL_PLANNER

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