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プレスリリース

大規模津波も精度よく再現可能な「津波造波装置」を開発

−防波堤や陸上構造物周りの津波の挙動を再現−

2013年3月8日

 

大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:山内隆司)はこの度、防波堤や海岸堤防、あるいは建物等の陸上構造物に作用する津波波力や津波による遡上・浸水の状況を、屋内水理実験で再現するための「津波造波装置」を開発しました。

この津波造波装置は、東日本大震災時のような大規模津波の再現が可能であり、また、津波の挙動や影響を高い精度で把握することができます。
今後は津波造波装置を用いた実験技術と、当社保有の津波シミュレーション技術とを併用することにより、海岸堤防などの防災施設の設計、臨海部のエネルギー施設を対象としたBCPの提案、建物等の陸上構造物の安全性評価等に活用していく予定です。

津波造波装置のしくみ

 本装置は、8つの大型容器(チャンバー、1ユニットサイズ幅1.5m×奥行3.6m×高さ2.3m)で構成され、各チャンバーの天井部分には複数の給気バルブが設置されています。容器前面の水中部分に高さ30cmの開口部があり、それ以外は密閉されています。
まず造波準備として、チャンバー内の空気を吸引し、チャンバー内に水柱を発生させ、チャンバー内の水位を水槽の水位よりも高い位置で保持します。
造波時は、給気バルブを開放することにより空気がチャンバー内に供給され、水柱が落下することにより前面水中部にある開口部から水が吐き出されて津波を造波します。
今回導入した津波造波装置は、実験可能な水槽の幅が12m、水深40cmの場合に造波できる最大津波高さは40cmとなります。ゆえに1/20〜1/30程度の大縮尺で東日本大震災と同等規模の津波を再現できることとなります。
これにより、防波堤や建物に作用する力、建物周辺の津波の挙動等を高い精度で把握することが可能です。

津波造波装置の特徴

 一般的に、津波を造波する装置には、ピストン式、ポンプ式、チャンバー式があります。ピストン式やポンプ式の場合、大きな津波を造波するためには大規模な装置が必要となり、また水槽の改修も必要となります。これに対しチャンバー式は構造が非常に単純で、チャンバーを大きくすることで容易に大きな津波を造波することが可能で、水槽自体の改修も不要なため比較的簡易に導入することが出来ます。
しかし一方で、チャンバー式は、チャンバーの形状・寸法や開口の大きさにより造波される波が固定化され、任意の津波の波形が造波出来ないという課題がありました。そこで今回開発した装置では、空気の供給バルブを複数設置し、開放するバルブの数や開放タイミングを制御することで吐き出す水の量を調整して、多様な波形の津波を再現することを可能にしました。
例えば、複数のバルブを一度に開放すると前面の切り立った波形となり、一定間隔に順番に開放すると緩やかに水面の上昇する波形を作り出すことが出来ます。これにより、任意波形で大きな津波を造波することが可能となりました。

 

 

 

津波造波装置による津波の発生状況(実写)

 

 

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