超高強度コンクリートの耐火対策に新技術

―耐火性と施工性を両立させ実用化に成功―

【2003年9月11日】
大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長:葉山莞児)は、この度、超高強度コンクリートの耐火対策用に新技術を開発し、設計基準強度150N/mm2までの超高強度コンクリートで国土交通大臣の認定を取得、実プロジェクトに適用することが可能になりました。
 
 コンクリートは耐火性の良い材料として知られています。しかし、高強度コンクリートは、火災時で高温になったときに、コンクリートの中の水分が抜けにくく、内部の水蒸気圧などが高くなる傾向にあり、爆裂する危険性が高いためその対策が必要とされています。当社は、高強度コンクリートの爆裂対策として、ポリプロピレン繊維を混入する方法を実用化し、既に、設計基準強度70〜100N/mm2の多数の超高層建築物に適用しています。
 しかし150N/mm2クラスの超高強度コンクリートでは、その耐火性の確保に多量の繊維混入を必要とするため、このことがコンクリートの施工に悪影響を与えるおそれがあります。そこで当社は、このクラスの超高強度コンクリートに対して、耐火性と施工性を両立する新しい有機繊維(エチレンビニルアルコール共重合体)とコンクリートの調合技術を検討し、このほど実用化に成功しました。
 本技術の導入により、従来のポリプロピレン繊維混入の場合とほぼ同等の耐火性、耐久性が確保されることを確認するとともに、実物大施工実験では、格段に超高強度コンクリートの施工性が改善されることを確証済みです。さらに今般、新しい有機繊維を混入した設計基準強度150N/mm2までの超高強度コンクリートについて、建築基準法第37条第二号の指定建築材料の国土交通大臣の認定を取得し、近々実プロジェクトに適用する予定です。
 この新技術により、耐火性の良い超高強度コンクリートを超高層建物の柱などへ適用することが可能になり、より一層の柱のスレンダー化、より自由度の高い居住空間の実現に貢献できると共に、更なる高強度化をめざして研究開発を進めて参ります。

 
    

新しい有機繊維(エチレンビニルアルコール共重合体)


 
 
新繊維混入コンクリートの調合例
水結合材比
(%)
空気量
(%)
単位量(kg/m3 スランプ
フロー
(cm)
材齢56日コア強度
(N/mm2
結合材*) 細骨材 粗骨材 高性能AE
減水剤
新繊維
17 1.0 150 883 604 835 15.9 2.5 65.0 168
*):結合材は、普通ポルトランドセメント、スラグ石膏混和材、シリカフュームを重量比7:2:1で混合したもの


 
    

世界最大級の載荷加熱実験炉*)(大成建設技術センター)


 
*):2000tonf載荷加熱炉は構造物の耐火性能を実物規模で検証できます。強度の高い建築材料の出現や建築物の高層化に伴い、部材に加わる荷重が大きくなることに対応するため2000tonfの載荷装置を備えた多目的炉となっています。また周辺の反力床を利用することで、2方向からの同時載荷が可能です。加熱能力は、JIS A 1304、ISO 834の標準加熱曲線に準拠した加熱が最長6時間まで可能です。任意の加熱状況も設定できます。載荷性能は圧縮2000tonfです。
 
    

載荷加熱実験中の試験体の状況


 
 
    

従来の繊維混入コンクリートの流動性
(スランプフロー46×46cm)


 
 
    

新しい繊維混入コンクリートの流動性
(スランプフロー67×64cm)