高層建物の風揺れ予測データベースの構築

−大手ゼネコン三社による共同研究成果 第三弾−
 
  【2003年3月19日】
大成建設株式会社
清水建設株式会社
鹿島建設株式会社


 大成建設(株)(社長:葉山莞児)、清水建設(株)(社長:野村哲也)、鹿島建設(株)(社長:梅田貞夫)の3社は、研究開発の効率化、品質の向上を目指して「耐震」、「防火」、「風技術」の分野で共同研究を推進してきました。
 
 このたび、「風技術」分野での研究テーマ「高層建物の風揺れ予測データベースの構築」での研究成果がまとまりました。
 
 
 高層建物にとって、強風時の風揺れに対する居住性は、台風時の構造体の安全性と並んで重要な性能の一つです。高層建物では、強風時の風揺れが船酔い現象などの不快感の原因となることもあり、近年では性能設計の一項目となっています。
 
 建物に作用する風力は建物形状と周辺地域における建物の密集度などによる気流に依存するため、これまでは、建物毎に風洞実験を行い、風力を求めていました。ところが、風洞実験は模型製作、実験、解析と多くの時間(最低2カ月)と費用を要するため、建物計画時には類似の建物から推定する経験的手法に頼らざるを得ませんでした。このため、実施設計時に行う風洞実験の結果によっては設計変更を余儀なくされるといった課題が懸念されていました。
 
 
 本共同研究では、おおよそ100種類の建物形状について、おのおの3種類の気流条件に対応した風洞実験を実施して、風力の膨大なデータベースを構築しました。
 
  これにより、計画時から精度の高い風応答予測が可能となり、揺れが大きい場合には制振装置による風揺れ対策といった高度な解析もできるようになりました。さらに、実施設計時に必要な風洞実験の時間と費用も節減できます。
 
 本研究は、2000年度から2年間実施し、すでに2002年4月よりデータベースの運用を始めています。まさに1/3の時間と費用で目的を達したといえます。
 
 これまでに3社合計で約20件の建物に適用され、実績をあげています。
 
 
 今後、3社はこの研究成果を高層建物の風揺れ予測・評価で積極的に活用することにより、予測の精度向上、迅速な対応、コスト削減に役立てていく考えです。
 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

風洞実験状況