使用済み発泡スチロールなどの有効活用

−再生材を最大限に利用したLNG用断熱材の開発−

【2003年4月16日】
大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長:葉山莞児)は、使用済み発泡スチロールの再生骨材(テプサ)の用途開発の一環として、中部電力(株)(社長:川口文夫)火力センターと共同で、再生材料の有効活用を目的に、LNG貯蔵施設の防液堤での使用を可能とする断熱材を開発しました。この断熱材は、使用済発泡スチロール骨材のテプサと、既存施設に利用されている断熱材のリサイクル品、さらに火力発電所から発生する燃料炭の燃焼灰(石炭灰)の再生材料を、容積換算で全主材料の約80%を適用しています。
 
 
 一般的に、液化天然ガス(LNG)貯蔵施設の防液堤内面には、約−160℃のLNGが不慮の事故により施設内に漏洩した場合に備え、LNGの蒸発する速度を抑制する目的で断熱材料が設置されています。この断熱材料に泡ガラス系断熱材を使用している施設では、既設の泡ガラス系断熱材が製造中止となっている実情から、メンテナンス工事の際には、旧断熱材が廃材となってしまう状況にあります。
 
 一方、火力発電所からは大量の石炭灰が発生し、その有効利用が重要な課題の一つになっており、これまでコンクリート混和材料(フライアッシュ)や土壌改良材としての有効利用法に加え、それ以外の用途に関し多くの検討が進められています。
 
 そこで、当社のテプサを主体としたセメント系断熱材の技術をさらに発展させ、断熱材の主材料(セメント等の固化材料と軽量骨材)により多くの再生材料を使用することをコンセプトに検討を重ねてまいりました。
 
 通常のセメント系の断熱材は、パーライトに代表される軽量骨材とセメント、水、気泡で構成されています。本断熱材は、水、気泡を除く主材料(固層部)に、硬化材料としてセメントの重量で最大40%を石炭灰の一種であるフライアッシュで置換し、軽量骨材として使用済発泡スチロール再生骨材であるテプサと既存施設メンテナンス時に発生する旧断熱材(今回は泡ガラス系断熱材)リサイクル品の粉砕骨材を容積で最大30%を混合したものを使用することで、全主材料容積のうち約80%に再生材料を有効活用することができました。
 
 本断熱材は、仕様目標値である熱伝導率を十分満足するとともに、磨耗に関しては乾湿繰返し実験により耐久性を確認しています。コスト面では、従来のメンテナンス工事に使用されているセメント系断熱材と同等以下となります。
 
 今後は、実施工への展開を目指し施工面の検討を進めていきます。