港湾構造物の最適断面を追求する効率的な解析システム

−「海洋・海岸構造物の破壊・変形シミュレーション技術」を開発−
 
【平成14年3月28日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・葉山莞児)は、防波堤などの港湾構造物の最適断面を追求する「海洋・海岸構造物の破壊・変形シミュレーション技術」を開発しました。
 
 
 従来、港湾構造物などの断面設計や変形の照査は、標準的な断面を対象とした設計式や水理模型実験で行われています。しかし、構造物の断面が複雑化する場合には、標準的設計式の準用では照査精度が低下してしまいます。また、水理模型実験の場合、実験費用や所要時間あるいは模型縮尺による影響など多くの課題があります。
 
 本シミュレーション技術では、構造物の解析には、自社で開発した破壊解析手法である個別要素法を、波の解析には、東京大学の磯部雅彦教授を委員長とした数値波動水路の耐波設計に関する研究会で開発された数値波動水路(CADMAS-SURF)を用いて解析を行いました。そして、これら二つの手法を融合(連成解析)することにより、従来は実験でしか照査できなかった構造物の変形解析を行い、設計時の最適断面を検討するだけでなく、施工時のリスク評価や施工手順などの検討を行うことも可能となりました。
 
 今回の技術開発は、捨石潜堤や緩傾斜堤を対象構造物として実施してきましたが、今後、対象とする構造物をさらに広げると共に、2次元から3次元化を目指し開発を進めていきます。
 
 

 
 
● 捨石潜堤の解析結果と実験結果の比較
 

   
 この図は,捨石で構築した潜堤の解析を行い,その検証として実験と比較した結果ある.実験結果は潜堤の両法肩が侵食され,右側に堆積している.解析結果でも同様に,両法肩の捨石が侵食され右側に堆積している.解析では捨石の形状を円形とし,サイズを変化させたが,解析で用いるパラメータは,捨石のランダムな形状が評価できるように設定されている.



この図は,不規則な波が小段を有する複断面緩傾斜堤に作用し,それにより小段部の被覆石が移動する様子を解析したものである.この結果より,現実的な構造物についても解析できることが確認できる.