建物基礎を最大限に合理化

−沈下予測手法に基づく沈下制御技術を実証−
 
【平成14年3月26日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・葉山 莞児)はこの度、建物の沈下予測に基づいた、地盤条件と建物条件に即した基礎の沈下制御技術を開発し、観測データからその信頼性を実証しました。これにより、基礎の大幅な合理化が可能となります。
 
 
 従来、建物基礎の沈下量を高精度に予測することが難しかったため、堅固な地層を支持層とする長尺支持杭が多く採用されていました。しかし、堅固な地層が深い地盤にこのような基礎を採用すると基礎工事費が高騰し、全体工事費を圧迫していました。
 
 本来、建物に要求される性能を満足させれば、基礎の沈下をある程度許容する性能規定型設計は可能であり、この考え方に基づけば杭長の短縮や杭基礎から直接基礎への変更など基礎の合理化も可能となります。ただし、これを実現するためには、(1)基礎の高精度な沈下予測手法と(2)沈下を制御する技術が必要で、更に(3)沈下観測データの蓄積によってこれら技術の信頼性を実証する必要があります。
 
 当社では過去十年以上に及ぶ研究開発により、基礎の高精度な沈下予測手法と各種沈下制御技術を開発すると共に、長期的な沈下観測によりこれら技術の信頼性を実証し、建築物の基礎設計に導入してきました。高精度な沈下予測技術とは、従来手法では精度の低かった地盤物性や建物と地盤の相互作用を適切に評価・モデル化することにより、建設中から長期間にわたる建物の(不同)沈下量や基礎に発生する応力を正確に予測するものです。沈下制御技術とは、建物の規模・用途・構造形式や地盤条件に即して全体沈下量や不同沈下量をアクティブかつ低コストな方法で低減するものです。これらを組合わせることにより、基礎をより一層合理化することができます。これにより、基礎工事費で20%〜40%、全体工期で5〜10%の削減が可能になります。現在、本技術は超高層ビルから軟弱地盤上の低層建物まで数多くの建物に適用され、その有効性が実証されました。 
 
 
 今後は本技術を有効的に活用し、受注及び利益確保の強化策につなげていくとともに、沈下観測により更なる技術の高度化を図ってまいります。
 
 

 
【資料】

はじめに  − 仕様規定型設計から性能規定型設計へ − 

地下水位制御・逆打工法

ニューフローティング・EPS 板工法・パイルド・ラフト基礎