狭い敷地や建物密集地での工事に有効

―「超高層RC造建物内部への大型タワークレーン設置工法」を開発―
 
【平成13年9月13日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・葉山莞児)はこの度、超高層RC造建物内部への大型タワークレーン設置工法を開発しました。建物外部にタワークレーンを設置する余裕がない狭い敷地や複数の建物が密集するなど厳しい施工条件下において有効な工法です。
 
 
 近年、超高層RC造の集合住宅・事務所建築は、狭い敷地、隣接するビル等施工条件が厳しいケースが多く、仮設計画上、建物外部に設置するタワークレーンの配置が大きな問題になっています。鉄骨造では建物内部にタワークレーンを設置してフロア−クライミングする工法が普及していますが、RC造ではクレーン荷重が梁にかかることにより、ひび割れが発生するため大規模な補強が必要となります。また、クレーンが大型(400t・m)の場合は内部に設置した事例はありませんでした。
 
 今回の開発は、超高層RC造建物内部にタワークレーンを設置し、それをクライミングする工法です。これまで問題となっていたクレーン荷重による梁のひび割れ対策として、梁の中にPC鋼棒を挿入し、プレストレスを導入することで強度を高めます。現場適用に先立ち、実物大の梁部材に対して構造実験を行い、性能確認しています。このたび、都市基盤整備公団発注のRC造集合住宅「河田町市街地住宅C棟建設工事」(地上41階・地下2階、高さ131.7m)に本工法を実施適用しました。この建物では400t・mタワークレーンを設置しており、これまでに例のない最大規模のものです。
 
 本工法のメリットとしては、以下のとおりです。
(1) タワークレーンの建物外部の設置スペースが省けるため、狭い敷地や複数の建物が密集するなど厳しい施工条件にも対応可能。また敷地を最大限に生かせ、設計の自由度が増大。
(2) 梁のPC鋼棒に緊張力を導入した補強方法は仮設筋交い補強工法に比べ経済的な補強が可能となる。また、施工後、補強材の撤去作業もなくスマートに施工が可能。
(3) 外部建てタワークレーンの水平控え補強材がなくなり、外装・内装工事が早期に開始できるため、全体工期の短縮が可能。
(4) タワークレーンのマスト材の低減や水平控え補強(壁つなぎ)が不要になるため、コストの低減が可能。
 
 
 今後は設計段階において狭い敷地でも高層RC造を積極的に提案していくとともに、本工法を広く展開しコストや工期の縮減を図っていきます。
 
 
 
写真−1 内部建てタワークレーン工法
写真−2 受梁にPC鋼棒による緊張力導入