長距離ポンプ圧送可能な高強度・軽量コンクリートを開発

―スパン120mの片持ち張出し施工による高架橋工事へ適用―
 
【平成13年11月29日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・葉山莞児)は、東日本旅客鉄道(株)(社長・大塚陸毅)と共同で長距離ポンプ圧送が可能な高強度・軽量コンクリートを開発し、片持ち張出し工法で施工している宮城県内の高架橋において国内で初めて適用しました。
 
   
 従来の軽量骨材は吸水率が高いため、これを用いたコンクリートをポンプ圧送する場合には、軽量骨材をあらかじめ水に浸して湿潤状態(プレウェッティング)にして、圧送に伴う流動性の低下を防ぐ必要がありました。しかし、プレウェッティングした軽量骨材を用いたコンクリートは凍結融解抵抗性に劣ることから、寒冷地で軽量コンクリートをポンプ圧送により施工することは、これまでほとんど行われていませんでした。
 
 大成建設(株)と東日本旅客鉄道(株)は、利府高架橋の新幹線車両基地部上部工新設工事(中央スパン120m,橋長256m,全幅21.7m)へ軽量コンクリートを適用するにあたり、配合設計手法の開発をはじめ、合理的な施工法の開発、凍結融解試験などを行い、長距離ポンプ圧送が可能で凍結融解抵抗性にも優れた高強度・軽量コンクリートを新たに開発することができました。
 
 今回開発した軽量コンクリートは、吸水率の極めて低い軽量骨材を完全に乾燥した状態で用い、長距離ポンプ圧送性を考慮して流動性を高めた配合(スランプフロー仕様)としています。また、材料分離抵抗性を確保するため、粉体材料として早強ポルトランドセメントの他に石灰石微粉末を使用することにより、水と粉体の配合比率を低くしています。このような配合構成としたことでポンプの圧送距離は水平換算で170mが可能となりました。また、凍結融解抵抗性においても十分な抵抗性を有することが証明できました。さらに、設計基準強度40N/mm2、弾性係数21kN/mm2、比重1.8tonf/m3といった品質を確保しており、これまでにない高強度性と軽さを併せ持ったコンクリートでありながら、コンクリート打設時においては軽量骨材とモルタルとの分離は認められず、良好な充てん性が確保されています。従来のコンクリートでは比重が2.4 tonf/m3であるのに対し、今回開発したコンクリートでは比重1.8tonf/m3であり、25%程度の自重低減が可能となります。これにより、橋脚基礎への重量負担が低減され、総工事費のコストダウンを見込むことが可能となります
 
 
 今後両社では、今回得られた技術成果を広く橋梁建設に取り入れ、より高品質で経済的な橋梁建設へ積極的に展開していく予定です。
 
軽量コンクリートへ
 
 
片持ち張り出しによる架設状況
軽量コンクリート(フレッシュ時の性状)