トンネル覆工コンクリートの健全性を自動診断

―トンネルドクター「ソニック・マイスター」の開発―
 
【平成13年11月12日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・葉山莞児)は、(財)道路保全技術センター(理事長 多田宏行)と共同で、トンネル覆工コンクリートの健全性を自動診断する打音診断機「ソニック・マイスター」を開発しました。
 
   
 現在、トンネル覆工コンクリートの健全性の診断は、点検ハンマーによる打音の他、レーザー、超音波、電磁波等の非破壊検査技術を用いることによって行われています。これらの診断技術の内、点検ハンマーによる打音診断が最も簡便かつ確実であることから、土木学会でも推奨されています。しかし、点検ハンマーによる打音診断は人力による作業であり、個人差が生じ定量的な判断が困難、記録に残らない、作業環境の悪いトンネル内作業での長時間作業となるなどの問題点があることから、打音診断を客観的かつ機械的に行うことができる技術の開発が強く求められています。
 
 今回開発したトンネル覆工コンクリート打音診断機「ソニック・マイスター」は、油圧駆動の打撃装置によりトンネル覆工コンクリートから発生する打音を人間の聴覚アルゴリズムを利用した手法によって解析し、トンネル覆工コンクリートの健全性を「確実に・早く」診断します。油圧駆動の打撃装置を用いることにより、コンクリート表面を一定かつ人力より高いエネルギーで自動的に打撃するので、より深部まで診断することができます。「ソニック・マイスター」には、上記油圧駆動の打撃装置と打音収録装置が5つ、産業用ロボットのアーム先端に装着されており、それらをトンネル壁面円周方向に沿って移動させながら診断します。診断位置は、レーザーを用いた測量装置により自動的に計測されます。一スパンの診断が終了すると、「ソニック・マイスター」全体を次スパン位置に移動して同様の作業を繰り返すことにより、トンネル覆工コンクリート全面を診断することができます。診断結果は、健全部・不健全部の判定結果を診断位置測量装置による3次元位置情報と照合して図表上に出力させ、その場で確認することができます。「ソニック・マイスター」の診断効率は、標準的な30cmの格子間隔での診断の場合、400m2/時間(道路片側車線で約50m/時間)の高速診断が可能です。また、打音及び診断結果のデータをデジタルデータとして保存することにより、他地点との比較や将来の経年変化診断に用いることが可能となります。尚、「ソニック・マイスター」の開発にあたっては、今田徹東京都立大学名誉教授の御指導を受けております。
 
 
 今後は「ソニック・マイスター」を、既設道路トンネルの点検業務や新設トンネルにおける品質確認に活用していく予定です。
 
トンネル覆工コンクリート打音診断システムへ
 
 
「ソニック・マイスター」