電波を吸収してテレビゴーストを防止

−UHF放送周波用テレビゴースト障害防止吸収体を開発−
 
【平成13年5月30日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・葉山莞児)は、FDK(株)、昭和鉱業(株)と共同で、UHF放送周波数に対応したテレビゴースト障害防止のフェライトコンクリート電波吸収体を開発しました。
 
 
 高層ビルの急増に伴い、ビルの外壁での反射による電波障害(テレビゴースト障害)は対策が求められるケースが増えています。対策としては、外壁にテレビ電波を吸収する電波吸収体を設置し、反射を防ぐ方法が一般的です。最近までは、この対策が、都市部の高層ビルを中心であったため、VHF帯(1〜12ch)の対応になっていました。ところが、高層ビルの地方分散が進むにつれ、VHF帯に加え、UHF帯のテレビゴースト対策を要するケースも出始めています。加えて地上波デジタルテレビ放送が2006年までに全国で開始できるように準備が進められており、放送をUHF帯のローチャンネル域に導入する予定になっています。しかし、従来の電波吸収体では対応できる周波数域が狭く、UHF全域をカバーすることができませんでした。
  今回開発した電波吸収体は、フェライト(焼結した鉄酸化物)を骨材状にし、セメントと水を混ぜてつくられるフェライトコンクリートから成り、優れた広域電波吸収特性を有しています。UHF全域に対しての電波吸収率は96%以上で、地上波デジタル放送周波数帯と予想されるUHF帯のローチャンネル域では更に高い吸収性能(98%以上)を発揮します。外壁としての仕上げは、通常の化粧タイル仕上げの他に、塗装仕上げなども可能です。
 当社では既にVHF放送周波数域対応の電波吸収フェライトコンクリートを開発し実用化しています。今回開発したUHF周波数域専用のものは、フェライトコンクリートの調合や製造方式の改良により、電波吸収体の重さが従来の半分以下に抑えられ、コスト削減も見込まれます。

 
 今後は更なるコスト削減のため、外壁PCa板と一体化工法を検討した上で、早期の実用化を目指します。また、テレビやパソコンのブラウン管に使用されている偏向ヨークを、リサイクルの一環として電波吸収コンクリートの骨材として使用することも検討します。
 

フェライトコンクリートの電波優秀性能(垂直入射)
   

フェライトコンクリートの電波吸収PCa板の基本構造(模式図)
   

フェライトコンクリート外壁板の断面構造
 

フェライトコンクリート電波吸収外壁板模型
(表)
 

フェライトコンクリート電波吸収外壁板模型
(裏)