「バルチップ」を生コン車に入れるだけ

−繊維補強によるコンクリートの剥落防止−
 
【平成13年3月1日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、日本道路公団と共同で、「バルチップ」と呼ばれる化学繊維をコンクリートに混入することにより、コンクリートのひび割れを抑制し、劣化による剥落を防止する技術を開発しました。さらに、第二名神高速道路・山村第一橋(橋長52m、幅員20m)において試験施工を行い、その性能を検証しました。
 
 昨今、トンネルのコンクリート塊落下など、第三者にも影響を及ぼすような事故が発生し、コンクリート構造物の耐久性向上と保全問題が広く社会的関心事となっています。鉄筋コンクリート中の鉄筋は、コンクリートがアルカリ性のために、一般的には錆びないとされています。しかし、予期しない荷重や乾燥収縮によりコンクリートにクラックが発生したり、コンクリートの中性化により、鉄筋が錆びることがあり、コンクリートに腐食膨張ひび割れ、剥落が起きる可能性があります。
 今回、開発した技術は、短繊維を混入することで、「万が一、被りコンクリートが剥離してもコンクリート片を剥落させない」ことにより最悪の状態を未然に防ぎます。さらに、「乾燥収縮等によるコンクリートの初期ひび割れを抑制する」ことが期待できるため、耐久性の向上が図れます。工法的には、生コン車に、ポリプロピレン繊維「バルチップ」を体積割合で0.5%、直接混入するだけのいたって簡単な施工方法で、特別な技術を必要としません。
 「バルチップ」は、トンネル覆工コンクリートや建築の床、水路の補修・補強などに多くの施工実績をもつ短繊維材料です。この繊維の素材はポリプロピレンで、繊維の表面を特殊加工しているため、生コン車に直接投入・撹拌して使用することが可能で、さらに混入後も従来のコンクリートと同様に打設を行なうことができます。
 
 当技術の開発に当り、剥落抵抗の実証をするため、交通荷重を想定した疲労載荷実験を実施し、200万回以上の繰返し荷重にも剥落しないことを検証しました。さらに山村第一橋での試験施工では、繊維混入後のコンクリート・スランプが90分経過しても損失しないこと、ポンプ圧送ができることを検証し、繊維1本当たり約10kgの剥落抵抗があることを確認しています。
 今後、当社は本技術を広く施工に取り入れ、積極的に展開していきます。


   
技術の背景


 
技術の特徴

 

   

   
 
「山村第一橋」完成状況