平成13年7月18日
 
 
清水建設株式会社
鹿島建設株式会社
大成建設株式会社

大手ゼネコン3社による共同研究開発成果の第一弾
―施工性が優れた鉄骨鉄筋コンクリート造柱脚の設計施工指針を策定―


 清水建設(株)、鹿島建設(株)、大成建設(株)の3社はこのほど、1999年4月から実施している建設分野の基礎技術に関する共同研究開発の成果の第一弾として、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造建物の柱脚の施工性を向上させる「KST非埋め込み形柱脚」の設計施工指針を策定しました。今後、3社は「KST非埋め込み形柱脚」を鉄骨鉄筋コンクリート造建物の標準仕様として展開し、一層の工期短縮とコストダウンに取り組みます。すでに、この設計施工指針については、日本建築センターから一般評定を取得しており、3社が独占的にこの設計施工法を採用できるようになっています。
 
 
 阪神大震災以前、SRC造建物の柱の下端である柱脚は、埋め込み形あるいは非埋め込み形のいずれかの方法で設計されていました。埋め込み形柱脚は柱の構成部材である鉄骨の下端を梁の中に固定、一方の非埋め込み形柱脚は先行して構築した梁の上に鉄骨の下端を固定するものです。作業工程上、鉄骨建方が基礎梁配筋と同時作業となる埋め込み形柱脚に比べ、コンクリートの床上で鉄骨建方ができる非埋め込み形柱脚の方が施工性が優れていたため、大部分のSRC造建物に非埋め込み形柱脚が採用されていました。しかし、阪神大震災後の被災調査では、非埋め込み形柱脚を採用した建物において、柱脚を固定していたアンカーボルトや主筋が破断したケースが多く見られたため、阪神大震災以降、建設省が監修した構造規定によって、埋め込み形柱脚を推奨する措置がとられてきました。
 
 
 ただ、被災調査結果を詳細に分析すると、SRC造建物の非埋め込み形柱脚の被害は阪神大震災のような極大地震を想定した設計(二次設計)を行わずに済む高さ31m以下の建物に集中していることが判明しました。これは、被災した建物でも二次設計が行われていれば被害を防止できた可能性があることを意味します。しかし、二次設計を行おうとしても、柱脚の仕様決定の根拠となる「柱脚の引っ張り抵抗力」と「建物に必要な変形性能」との相関関係に関するデータが不足していました。清水建設(株)、鹿島建設(株)、大成建設(株)の3社とも、非埋め込み形柱脚の優れた施工性に注目していたこと、それぞれ設計施工のノウハウを蓄積していたこと、3社が協力すればデータ収集のための実験費用の各社負担を軽減できることなどから、建設分野の基礎技術の共同研究開発テーマに設定したものです。
 
 
 3社は99年4月から分担して構造実験を行い、非埋め込み形柱脚に作用する引っ張り力、主筋量やアンカー本数などに関する実験データを収集・分析してきました。その結果、建物が必要とする変形性能に的確に追従できる耐震安全性に優れた柱脚の仕様を導き出すことができ、その設計方法と施工に必要なポイントとを併せて設計施工指針としてとりまとめました。具体的には、設計に関する指針を参照すれば、柱脚を固定するアンカーボルトや主筋の径、本数を算定でき、施工に関する指針を参照すれば、アンカーボルトの具体的な施工方法などを特定できるようにしました。
 
 
 清水建設(株)、鹿島建設(株)、大成建設(株)の3社は今後、自社設計のSRC造建物の標準仕様として本設計施工指針を展開して躯体工期の短縮やコストダウンを図るとともに、3社以外の設計案件についても本指針を活用して積極的にVE提案を行い、SRC造建物の受注に結び付けていく考えです。 
 
 
以 上