次世代半導体工場対応のアクティブ微振動制振装置を開発


―低コストで振動対策―

 
【平成12年6月8日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、このたびミクロンレベルの微振動を効果的に低減することで、半導体工場内の製造エリアに設置された複数の嫌振機器を同時に保護することができ、低コストを実現するアクティブ微振動制振装置を開発しました。

 近年の半導体工場は、多層化やロングスパン化により、床が柔らかく非常に揺れやすくなっています。一方、半導体の高集積化に伴い、半導体製造エリアの床では製造・検査機器の設置環境としてミクロンレベルの非常に厳しい振動許容値が要求されるようになりました。しかし従来の制振方法では、装置と床との接続のズレ・摩擦等により、床の微振動を効果的に低減できないため、電子顕微鏡、露光機等の嫌振機器毎に振動を抑える装置を設置する必要がありました。
 本装置はリニアモータを使い装置内の重りを上下方向に駆動して、床の揺れと反対に動かし床の振動を打ち消します。本装置の摩擦力は極めて小さいため、微振動からの制御が可能となりました。また従来の制御方式に比べて重りの動きを数十倍に拡大することができ、制振効果の大きな強い制御を実現して床の固有振動の揺れだけでなく、半導体工場で問題となる機械振動等の特定の振動数の揺れも制振することを可能にしました。重りの動きを増幅することで装置の軽量・小型化を実現し、従来の装置に比べ重量を1/10以下にすることができます。また、本装置はクリーンルームの床下に設置するだけで振動を抑え、複数の嫌振機器を同時に保護することができるため、低コストで振動対策を行うことができます。

 大成建設技術研究所では、半導体工場のロングスパン床を模擬した床試験体(固有振動数5.5Hz)の制振実験を行い、ミクロンレベルの微振動が1/3〜1/4程度に低減したことを確認しています。今後、当社は大きな需要が見込まれる次世代半導体工場の建設に、本技術の利用を積極的に展開していきます。











制振装置の外観