世界初 軟弱土層の海底トンネルに威力を発揮

―「水底開削シールドトンネル工法」を開発―

 
【平成12年12月20日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)はこの度、世界に類を見ない、水底直下の軟弱土層内に浅深度(1.5m)でトンネルを築造する「水底開削シールドトンネル工法」を開発しました。水底直下の道路・鉄道トンネルの築造においてトンネル延長の短縮、掘削土のリサイクル技術と組合せた画期的な技術です。
 
 
 海底下あるいは水底下の軟弱土層内にトンネルを築造する工法には、シールドトンネル工法や沈埋トンネル工法などがあり、規模・地盤特性・トンネル延長等の条件に応じて使い分けられています。従来のシールドトンネル工法では、水底下の土被りを1D(D:直径)程度確保すると、立坑間距離やアプローチ部分の延長が長く必要となり、路線全体を考えると不経済となります。また、沈埋トンネル工法では浅深度であるため、立坑間距離やアプローチ部分が短くできる利点がありますが、大規模なドライドッグが必要となること、函体沈設時の航路占用期間が長いこと、あるいは広範囲の浚渫が必要であることなどの課題があるのが現状です。
 
 本工法は、シールド前面の海底地盤の一部を海上より浚渫し、残りの地盤を水底シールド機により掘削します。次にセグメントで覆工した後、セグメント上部にセメント系材料を混合した浚渫土を覆土して、シールドトンネルの安定を図る工法です。
 
 水底シールド機は、本体の下半分のみを掘削するため、特別に開発した重心安定型シールド掘削機を用い、安定した姿勢制御により掘進を行います。また、水中でセグメントを組立てるため特殊ウェイト装置等の安定機構を使用し、セグメント周囲に防水シートを併設すること(ラッピングシールド工法)で、止水性能を向上させます。また、高精度土砂排土装置(ツインススクリュー工法)により、掘削時の噴発を防止し、切羽の安定を図ります。
 
 浅深度でトンネルを築造する本工法は、従来のシールドトンネル工法に比べて、立坑間距離やアプローチ部分が短くてすみます。また、沈埋トンネル工法に比べて、ドライドックが不要になるばかりでなく、航路規制期間の短縮が可能です。さらに、浚渫土や掘削土をリサイクルして埋戻し土に再利用する地球環境に優しいトンネル築造工法です。これらにより、工期・工費について削減効果が期待できます。
 
 
 今後は、交通渋滞の緩和のために新設あるいは増設が予定されている水底トンネル築造について、本工法の需要を期待します。
 
 


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