PHS通信を利用して施工をIT化

―「ネットワーク型橋梁架設情報管理システム」を開発―

 
【平成12年12月7日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)は、この度橋梁架設時の施工情報管理を目指し、PHSデータ通信を応用したネットワーク型橋梁架設情報管理システムを開発し、現在施工中の第二名神高速道路揖斐川橋梁西工事に適用しました。
 
 
 従来、施工場所が河川の中に分散する場合が多い橋梁架設工事では、情報伝送用の施設を設置できず、無線も出力・周波数などが制限されるなど、施工データの収集や監視が難しくなります。
 
 揖斐川橋梁西工事は、橋桁セグメントの製作ヤードと橋梁架設現場が10km以上、架設現場と架設事務所も約2km離れています。さらに架設現場自体も3箇所に分散しているため施工情報の収集が難しく、セグメント製作から架設までの一貫した高精度な形状管理や分散した架設現場情報のリアルタイムな把握が課題となっていました。
 
 本システムは、GPS・デジタルレベルを組み合わせた橋梁形状の高精度測量システム、施工状況を遠隔監視するデジタル映像監視システム、PHSとISDNにより離れた場所から架設現場の情報を収集できる広域データ収集ネットワークから成るサブシステムにより構成されています。

 本システムの適用により、下記の特長が実証されました。
 
 (1) GPS機器のネットワーク化・自動化により、橋梁の3次元的挙動がmm単位の高精度で、かつ毎秒20回という高速度でリアルタイム計測できます。
 (2) GPSの絶対座標系での管理により、工事用基準点の変化や橋脚の沈下等に影響されず、橋桁セグメントを絶対座標にて挙動管理することができます。
 (3) レベル機器のデジタル化、自動システム化により、橋面レベルを0.1mmと高精度に連続計測できます。
 (4) PHSを活用したデジタル映像監視により、架設現場の状況をどこからでも24時間リアルタイムに監視できます。
 (5) PHSは公衆デジタル回線により日本全国からデータ通信が可能なほか、現場内は内線データ通信を利用できるので、経済的な運用が行えます。
 
 また、このように高精度な形状管理や遠隔からの施工情報の収集を実現できるばかりでなく、データの電子情報化により、展開が進む「建設CALS」などへの対応も視野に入れたシステムとなっています。
 
  
 今後は本システムをダム、広域造成工事など橋梁工事以外の分野へも展開し、さらにはイントラネットへの接続など、建設工事の総合IT化を目指していきます。