予測される地震被害額と耐震補強費等を簡単に比較

―既存オフィスビル用の地震リスク評価プログラムを開発―

 
【平成12年8月31日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)はこの度、(株)篠塚研究所(社長・篠塚正宣)と共同で、既存オフィスビルの「地震リスク」をパソコンで簡易に評価できるプログラムを開発しました。   

  
 本プログラムは、昨年開発した「新築オフィスビルの地震リスク評価プログラム」に続くもので、適用範囲を既存のオフィスビルまで広げたものです。既存のオフィスビルの地震リスクを確率論で科学的に統合・計算し、地震による建物や設備機器自体の被害予想額や営業停止による損害予想額等と建物の耐震補強等に係る費用を算出し、比較することができます。パソコンに以下の7項目を入力すると、ひとつの建物につき20〜30秒程度で各種コストが計算されます。
1.所在都道府県 2.築年 3.構造形式(RCかSRC)
4.層数 5.ピロティの有無 6.地盤種別(3種)
7.基準階床面積    
 なお、上記以外にも建物の耐震性能や建物機能を維持するための設備機器の構成についても、詳細に設定できるようになっています。


 これによって、壁補強などの耐震補強をした場合、レトロフィット免震化した場合、新築にした場合などそれぞれについて、地震リスクと補強に必要な費用が即座に計算・比較されるので、その補強効果が分かり効率的な補強方法を検討するケーススタディが容易にできます。また、地震保険に係わる情報(地震による損失のNEL値、PML値等)についても計算できるため、不動産取引における評価や保険料率算定に役立ちます。


 現在、既存オフィスビルのリスク評価はその需要が多いため、当社としては本プログラムを営業ツールとして積極的に活用していきます。
 


オフィスビルの地震リスク評価プログラム 画面表示例

2000.08.31 大成建設 技術研究所 地震・風研究室
 
(1)最小限必要な入力項目
 画面中にある7項目を入力する事により,現状での地震リスクと耐震補強した場合,免震化した場合,新築した場合等のそれぞれについて,補強費用と地震リスクが計算されます.



(2)計算結果の例1(供用年数対コストの比較)
 耐震補強に要する費用と地震リスクの和を各補強ケースで比較しています.下の画面は,建物の今後の使用期間が15年以内の場合には現状のまま,15年から33年までの場合には壁補強,33年以上使用する場合にはレトロフィット免震するのが最も効率的である事を示しています.



(3)計算結果の例2(再現期間475年の地震による損失の比較)

 再現期間475年の地震(475年に一度起こるような地震)による損失(予想される額の平均値)を各補強ケースで示しています.補強に要する費用(初期コスト)と,補強によりどの程度損失が小さくなるのかが分かります.



(4)計算結果の例3(最大予想損失の比較)
 再現期間475年の地震による損失の最大値(予想される損失の90%非超過値)を比較しています.いわゆるPMLと呼ばれる値で,不動産評価において地震リスクの大きさを表わす指標として用いられています.