公益信託大成建設自然・歴史環境基金

−平成11年度助成先が決定−
 
【平成11年11月19日】 大成建設株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)が設立した 「公益信託大成建設自然・歴史環境基金」 は、このたび平成11年度助成金を、別紙の22団体に対し贈呈することに決定いたしました。

 本基金は、当社の創業120周年記念事業の一環として平成5年4月5日に10億円を信託して創設したもので、安田信託銀行株式会社を受託者としています。平成8年度から、それまでの 「自然環境」 に加えて 「歴史的建造物」 の保存・活用に関する活動や普及啓発、調査研究を行っている団体、さらに活動対象地域を国内だけでなく海外にも広げ、資金的援助を行ってきました。今年度で助成を行った団体は累計で106件となり、助成総額は1億円を越えました。
 第7回目となる今年度は、新たにNPO (民間非営利組織) を助成の対象に加えました。全国から39件の応募があり、その中から11の自然環境団体と11の歴史環境団体に決定、助成金は合計で1,500万円となりました。NPOは2団体を決定しています。
 助成金贈呈先の団体には、これまで調査した瀬戸内海の要衝鞆港 (広島県福山市) の、江戸時代の築港技術の研究結果をもとに住民学習会やシンポジウムを計画している団体や、戦後の庶民生活を伝える初期公庫住宅を資料館として保存していこうという団体などがあり、地域に根ざした市民活動の充実ぶりがうかがえます。

 贈呈式は11月22日 (月) 午後2時から3時30分まで、東京都新宿区市ヶ谷仲之町3-5の安田信託銀行 「市ヶ谷ハウス」 ( TEL 03-3359-4608 ) にて行われます。

 自然環境はもちろん、人々の生活に深く関わりながら時間を経た建造物や町並みは、文化遺産であり、人類共通の財産です。当社では、本基金を通じ、これらを保全・保存するための事業に助成することを社会交流の柱として継続していきます。




平成11年度大成建設自然・歴史環境基金助成先一覧
自然環境
 (1)活 動
団  体  名
活 動 場 所
内    容
西海国立公園五島地域パークボランティアあぶんぜ友の会 長崎県西海国立公園福江島 鎧瀬園海岸周辺の生物調査を四季を通して実施し来園者へのガイドブックを作成。自然体験学習等に利用する。
特定非営利活動法人阿漕浦友の会 三重県伊勢の海県立自然公園 絶滅の危機にあるハマボウの増殖・植栽を中心に、陸地性植物の除去、自生海浜植物の保護、植栽を行い、海浜花園をつくる。
富士山クラブ 静岡県・山梨県の富士山麓 地域の小中学生を対象に、青木ヶ原樹海やブナ林など富士山麓でエコツアーを開催。豊かな生態系に対する理解を育てる。
町田歴環管理組合 東京都町田市図師小野路歴史環境保全地域 放棄され荒廃した谷戸田及び斜面林を在来の里山管理手法により環境を復元、維持する。作業、観察を通して地元文化を守り、継承する。
足摺宇和海国立公園大月地区自然保護ボランティア協議会 高知県足摺宇和海国立公園尻貝海中公園 高知県足摺宇和海国立公園尻貝海中公園

 (2) 研 究
エトピリカ保護基金 北海道厚岸道立自然公園内浜中町霧多布 絶滅危惧種の海鳥エトピリカの若鳥を定着繁殖させるため、従来のデコイに加え親子の鳴き声の音声を発生する装置を設置。
(財)阿蘇グリーンストック 熊本県阿蘇郡阿蘇町西湯浦 阿蘇外輪山下部の山林地帯の湧水に関し、文献、現地調査、聞取り等により植生図を作成。水資源を涵養する自然環境の保全整備計画をまとめる。
水辺を記録する会 千葉県富津市明鐘沖 サンゴ自生の北限、千葉県南西部の海中のサンゴの生息状況及び分布を年4回四季毎に潜水調査し、水中写真とビデオで記録。
エゾシカ協会 北海道 網走、十勝、釧路、根室各支庁 北海道東部のエゾシカの適切な生息数管理と他の野生鳥獣との共生に有効な非鉛弾使用による捕獲を普及するための技術的検討。
(社)北海道野生生物保護公社 北海道 阿寒郡、釧路市 負傷した希少猛禽類シマフクロウ、オオタカを治療後に野生復帰させるため、自然環境に順応しやすい特別な飼育ケージを設置、放鳥後生存率を高める。
真庭遺産研究会 岡山県真庭郡八束村、川上村 蒜山高原の自然景観調査の結果から変化の現状把握、景観を保全しながら活用する地域システムを考えるワークショップ、シンポジウムを行う。




歴史環境
 (1)活 動
団  体  名
活 動 場 所
内    容
生活文化同人 長野県飯田市大平 無住の大平宿の伝統的建造物保全に関するセミナーを開催。参加者が技術者の指導で屋根、囲炉裏、建具等の補修作業を行い技術の伝承を図る。
小諸市本町区街づくり推進協議会街並み環境小委員会 長野県小諸市本町区 本町区独自の歴史的商家の保存について調査し、住民と建築家が協力して保存活用のルールをつくり、わかりやすい冊子にして配布する。
[日本建築]セミナー ベトナム共和国ハノイ市 1992年より国際協力事業として行われたホイアンの町並み保存技術指導の成果と今後について「ベトナム木造建築文化財保存越日フォーラム」開催。
鞆の浦 海の子 広島県福山市鞆町 瀬戸内海の要衝鞆の歴史的港湾施設を調査。江戸期石工の高度な築港技術の解明と記録。資料を作成し、住民学習会、シンポジウム開催。
唐津HOPE研究会 佐賀県唐津市魚屋町 東木屋酒造(安政年間建築)と別邸(大正7年建築)の建物調査及び所有者、近隣古老のヒヤリング調査を行い、保存・活用を考える。


 (2) 研 究
昭和のくらし博物館 東京都大田区南久ガ原 昭和26年築の小泉家は初期公庫住宅であり、状態も良好で昭和の庶民の生活を残す貴重な資料館である。現状調査と資料整備、報告書の作成。
日本アメニティ研究所 青森県黒石市 藩政時代に考案された「こみせ」は、住宅や店舗の外側に設けられた木造のアーケードである。黒石市に残る「こみせ」を再評価するための調査。
99.6.15 メキシコ国プエブラ州テウアカン市地震で被害を受けた歴史的建造物に関する研究会 メキシコ国プエブラ州周辺地域 地震により著しい被害を受けた歴史的建造物を、日本・メキシコ両国の研究者が現地調査を行い、データを収集し、補修方法等の研究報告書を作成。
関西木造住文化研究会 京都市上京区(西陣地域) 京都西陣地域をモデルに、街区全体の防災と木造伝統町家を共存させる保存再生手法の研究。
実験住宅の記録、防災まちづくりの調査。
特定非営利活動法人街・建築・文化再生集団 群馬県松井田町、渋川市伊勢崎市他 これまで認識されていなかった伝統的建造物や町並みを調査。再生・活用により地域の独自性を備えたまちづくりの提案の基礎を構築。
橋本の町と町家の研究会 和歌山県橋本市 紀ノ川舟運や高野山参詣で繁栄した旧橋本町の町家と付属屋の編年調査による建築史研究の資料作成。考察の結果を報告書にして公開する。