[1] 財務体質改善策の概要
 
 当社は、新中期経営計画(平成10年9月策定、平成10年度下期〜平成13年度)、および財務体質改善策に基づき、平成13年度までの3年間に、グループのバランスシートの健全化を目的として以下の施策を実施いたします。
 
1. 子会社・関連会社の見直し
当社は平成10年度までに販売用不動産の評価減、滞留債権に対する貸倒償却、および海外における主たる開発不動産の外部売却・海外の主たる不採算子会社の整理を完了しました。 財務体質改善策においては、グループのバランスシートの健全化を最優先課題として、国内の子会社・関連会社の見直しと、徹底した資金回収を図ります。
  
バランスシートの健全化のために、子会社・関連会社の資産の流動化を実施し、また一部不採算分野については事業内容を抜本的に見直し、撤退・整理・統合を推進することにより、概算1,600億円を資金化します。
   
尚、子会社・関連会社の見直しに伴う損益影響額は、連結ベースで概算700億円の損失になると想定されます。
 
2. 保有資産の流動化
当社の保有不動産および有価証券の流動化を実施して、概算2,000億円を資金化します。 その内、概算1,100億円を単体有利子負債削減目標の達成のために、概算900億円を子会社・関連会社の支援のために充当します。
   
資産の流動化を実施するとともに、今後は、保有資産のより効率的な運用を図り、キャッシュフローを重視した経営を推進していきます。
 
 以上により、連結で合計概算3,600億円の有利子負債を削減し、今回の財務体質改善策の目標である、連結有利子負債9,000億円以下、単体有利子負債5,400億円以下を達成します。

 


 

[2] 収益力の強化
 
 今回の財務体質改善策の実施による当社グループのバランスシート改善と並行して、新中期経営計画に基づきすでに実施している諸施策をさらに推進して、建設事業の収益力を徹底強化します。
 
 当社は、建築・土木・エンジニアリング・住宅の4事業を核として、安定した収益を確保できる強い経営体質への転換を図り、新中期経営計画の平成13年度経営目標である「経常利益300億円」の確保を目指します。 また、子会社・関連会社戦略の見直しによりグループ収益力を回復させ、同じく平成13年度の経営目標である「連単倍率1倍以上」の達成を目指します。
 
1. 営業力の強化
 「受注高1兆3,000億円」を安定的に確保できる体制を確立するために、「CS(顧客満足度)行動の徹底」を基本方針として、以下の施策を実施していきます。
 
(1) 市場分野別営業の展開
市場や顧客のニーズの変化に的確に対応するための「機動性のある営業体制」を確立します。 そのため、従来の得意先営業に加えて、学校教育・医療福祉・情報関連分野等の「市場分野別営業」を組織的に展開していきます。 また、情報の一元管理を推進して営業情報機能を一層強化することにより、顧客層の拡大を図ります。
 
(2) 技術営業の強化と成長分野への注力
エンジニアリング力・技術力を活用した技術営業の強化を図り、リニューアル・環境関連などの成長分野、およびPFIなどの新しい事業形態への対応力を強化していきます。
 
(3) 注力地域への経営資源の配分
効率的な地域営業を推進するために、経営資源と営業戦力を注力地域へ重点的に配分します。
 
(4) 価格競争力の強化
工事原価削減の成果を生かした価格競争力の強化を図り、受注の「量」と「質」の両面を確保します。
 
2. 工事原価の削減
各種技術・工法の効果的利用によるローコスト化、工事管理の効率化、工事管理に係わる外注業務の内製化、および購買管理の効率化などを進め、工事原価のさらなる削減を図り、価格競争力を強化します。
  
完成工事総利益率は、コストダウンを図った結果、平成10年度には9.2%程度となる見込みですが、平成13年度には「10%台の達成」を目指します。
 
3. 経費の削減
業務の集約化、組織の統廃合、管理部門・間接部門の人員削減などにより、本社および支店本部のスリム化を進め、固定費の削減を徹底します。 その一環として、「内勤者数の10%削減」を進めています。
  
平成13年度の販管費は、「売上高の6%以下」を目標とします。
 
4. 総人件費の削減
(1) 人員の削減
過去3年間で社員数を1,060人削減しました。 今後も採用抑制等により、社員数を3年間で約1,200人削減し、平成13年度末までに、社員数を現在の約11,900人から約10,700人(総合職約9,000人・担当職約1,700人)とする予定です。
 
(2) 人件費の削減
過去1年間で、人員の削減・幹部社員の給与の一部カット・賞与減額等の実施により約115億円削減し、外注人件費45億円を含めると、合計約160億円の人件費を削減しました。 今後も人員の削減を中心に、総人件費という枠組みの中で固定費の削減を実施していきます。
  5. 連結収益体質の強化
当社は従来、本業周辺事業を中心とする相乗効果と異業種進出による収益の拡大を目的として、子会社・関連会社を設立・運営してきました。 今回の財務体質改善策によるグループ企業の見直しに伴い、今後は、「資金効率」と「連単倍率向上への貢献」を重視して効率的なグループ経営を推進し、連結収益力を強化していきます。


 


 

[3] 執行役員制の導入
 
1. 執行役員制の導入
経営上の意思決定機能と業務執行機能との分担を明確にすると共に、意思決定の迅速化を図るため、本年の定時株主総会終了時より執行役員制を導入します。 これに伴い、取締役の定数を現在の50名以内から、20名以内に減員します。
 
執行役員制の導入により取締役会の開催頻度をアップし、経営の意思疎通を従来以上に密にして、株主重視・透明性重視の経営を徹底していきます。
 
2. 役員報酬の削減
現在削減している10%を含め、取締役報酬を今後は20%削減します。 また、平成11年6月の取締役賞与は、引き続き零とします。


 


 

[4] その他の諸施策
 
1. 人事政策の見直し
 
(1) 人事制度と給与体系の改定
社員の意識改革のため、昨年冬季賞与からすでに実施している成果主義に加え、今春より幹部社員の資格手当を廃止し、業績給を導入します。 今後も、成果主義・責任主義を重視した人事制度と給与体系をさらに明確に改定し、従業員へのインセンティブ付与による活性化を図ります。
 
(2) 福利厚生の見直し
厚生施設は基本的に保有しないこととし、社宅・寮・保養施設等の保有資産は順次処分していきます。 転勤者用の一部の社宅・寮は当面維持していきますが、将来的には、社員の福利厚生はすべて本給に組み込む方向で見直し、成果主義・責任主義に沿った公平な人事政策を推進します。
  2. 本支店組織の見直し
 
(1) 組織の効率化
人員の削減、意思決定のスピードアップ、および業務の効率化と集約化を推進するために、本社および支店組織の見直しを行います。 すでに、平成11年1月より、建築本部・設備本部・設計本部・エンジニアリング本部を統轄する建築総本部を新設して、建築事業における技術力の効率的結集と活用を推進しています。
 
(2) 組織のフラット化
平成11年4月より、設計本部及びエンジニアリング本部において、従来の「部・室制」を廃止して「グループ制」を導入し、組織のフラット化とフレキシブル化を図って行きます。
 


 


 

[5] 今後の業績への影響について
 
 財務体質改善策の実施により、平成11年度から平成13年度までの3年間の当社の損益に与える影響額は、概算1,000億円程度の損失と想定されます。
 
 平成11年度の中間及び通期業績予想につきましては、平成11年5月18日の平成10年度決算発表時にお知らせいたします。


 


 

[6] 株主配当について
 
 平成10年度の株主配当は、1株当たり年7円(期末配当3円50銭)を実施する予定であります。 平成11年度の配当につきましては、誠に遺憾ではありますが、減配の方向で検討中であり、平成10年度決算発表時にお知らせいたします。