汝自身を知れ

――平成11年入社式 平島治社長挨拶(要旨)――
 
【平成11年4月1日】大成建設株式会社


 建設業界は、「改革競争の時代」に突入しており、当社も他に先駆けて、あらゆる分野における抜本的改革に総力で取り組んでいるところである。
 私が皆さんに望むことは、「汝自身を知れ」ということである。現代社会は競争社会であり、競争相手に打ち勝つためには、先ず最初に冷静な自己分析が必要になる。自己分析とは自分が社会の中でどのような条件下に置かれているかを正確に把握することであり、言いかえれば、社会における「自らの座標を見定める」ということになる
 「自らの座標を見定める」とは、大きくわけて2つの部分からなる。第一に、「自分に与えられた権限」と、それに対応して「自分に課せられ責務」を認識すること、要するに「自分に課せられた使命は何か」を自覚することである。第2に、その使命を全うするだけの力を自分が備えているか適正に評価すること。力不足であると自己評価したなら、直ちにその力を高め、成果を上げる努力をしなければならない。成果を上げられない者は誰であれ、競争に勝てないばかりか、社会から何の評価も受けられない。
 我々社会人は、その生涯を通じて、連続して多くの競争に直面するとともに、厳しい評価を受ける場面にも遭遇する。この競争を勝ち抜いて業績を残し、相応の信頼と評価を獲得して初めて一人の自律した人格の完成をみるのである。
 己を知り、人生を楽しむためには、先輩達の生き方から多くのことを学び、自らを磨き上げることが肝要である。それには、1.人との出会いを大切にすること、2.本を読むこと、の2つを心がけてほしい。偉大な先哲や身近な先輩から学べるだけ学び、人生を豊かで実り多いものにしてもらいたい。
 「汝自身を知れ」―この平易にして難解な言葉が、信頼され評価される企業人になるための出発点にあることをもう一度強調しておく。
 元気溌剌な皆さんが、次代を担う精鋭として、爽やかに、しかも堂々と仕事に励み、共に大成建設を「最も信頼される企業」にすることを心から期待する。

(参考)入社式 : 4月1日(木)午前10時より、新宿センタービル52階当社大ホールにて
新入社員数(総合職)  201名(事務系 49名 技術系 152名)