完全止水型シールド工法を確立、実用化へ

―高品質化とトータルコストダウンを実現したラッピングシールド工法―

 
【平成10年9月17日】大成建設株式会社
五洋建設株式会社
日立建機株式会社


 大成建設(株)(社長・平島 治)、五洋建設(株)(社長・水野廉平)、日立建機(株)(社長・瀬口龍一)の3社は、共同で開発を進めてきた完全止水型のシールドトンネルを構築する「ラッピングシールド工法(Wrapping Shield Method)」の実用機モデルによる総合実験を終了し、実用化を最終確認しました。

 現在注目されている大深度地下利用にあたって、環境保全に関しては、高い水圧が作用することから地下水位の低下、地盤沈下等に配慮することが重要であり、地下構造物の漏水に対してより一層の止水性向上を図ることが求められています。
 本工法は、トンネルセグメントの外周部分を包むようにプラスチック系防水シートを巻き立て、地下水等の漏水を防止するものです。防水シートは、シールド機の後部で、セグメントを組み立てる前に、シールド掘進と同時に1リング分巻き立てるため、従来と変わらないサイクルタイムで施工可能です。
 本工法の特長は、下記の通りです。

  1. 〔完全な漏水防止〕2mm以上の防水シートをセグメント全体に巻き立てるため、トンネル内への漏水を完全に防止できます。
  2. 〔止水性能を回復〕防水シートが破損した場合でも、セーフティバリアにより止水性を完全に修復することができます。
  3. 〔環境保全も万全〕漏水による地下水の変動や地盤沈下など、環境に対する影響を与えずにすみます。
  4. 〔大幅な工期短縮〕防水シートを用いることにより、二次覆工を省略することができ、従来工法に比べて30%の工期短縮が実現できます。
  5. 〔トータルコストダウン〕工事コストダウン(約10%)はもとより、供用中のランニングコストが削減でき、さらに構造物、施設の劣化も防止され、ライフサイクルコストの低減が行なえます。

 本工法は、様々な地下空間利用ニーズで要求される高い止水性を実現できるため大深度地下開発に大きく貢献できるものであり、今後各方面に積極的に提案していきます。